表示してほしい性能トップ3は「耐震」「省エネ」「防犯」
注文住宅希望者は性能を重視、「見える化」を希望
注文住宅希望者は性能を重視する—。住宅提案では、ライフスタイル提案など、ソフト面での提案が重視される傾向にあるが、注文住宅希望者は、分譲住宅購入者と比較して、性能を重視する傾向が強いことが新建ハウジングの調査でわかった。また、「耐震性」「省エネ性」「防犯性」など住宅性能の表示に対するニーズも高く、今後、市場の二極化が進むなかで、こだわりを持つ注文住宅希望者に対して、うまく性能を示す方法を確立することが重要になりそうだ。
ライフスタイルの多様化、消費者の志向の個別化にともない、「暮らし提案」といったソフト的な提案を重視したマーケティングが幅広く展開されているが、消費者の間では依然として「性能を重視したい」と考えている人が多いようだ。特に注文住宅を希望する人では、「予算の許す限り高性能な住宅を選ぶ」という回答が63%と、分譲住宅にくらべて高い割合を示している。また、同じ分譲でも戸建て希望者のほうが性能へのこだわりは強いことがわかった。戸建て住宅希望者、特に注文住宅希望者は、一般的に住宅にこだわりを持つ層と考えられており、選択の際には、ライフスタイルだけでなく、性能面での充実も重要な要素として位置付けていると考えられそうだ。
「性能を表示してほしい項目」を聞いたところ、住宅形態によらず上位は「耐震性」「省エネ性」「防犯性」。注文住宅では、特に「耐震性」が90.9%、「省エネ性」が85.9%と高い割合を示している。なかでも「省エネ性」は、分譲戸建ての72.3%、分譲マンションの73.4%に比べ10ポイント以上も高く、特徴的なニーズだと言えそうだ。四番目は、戸建て住宅(注文・分譲とも)では「シックハウス対策」を挙げる人が多い。6割近い人が性能の表示を望んでいる。健康面の安全性に直結する項目だけに正確な情報開示を求める希望が強いと考えられる。マンションでは「遮音性」と「防犯性」が69.1%と同率で三番目だった。一方、住宅選びで重視する項目として常に上位に現れる「採光のしやすさ」だが、今回の表示してほしい項目では他の性能に比べて下位に位置付けられている。
こうしたことから、消費者が表示して欲しいと思う項目は、日常の生活、外からの見た目だけではなかなか確認できない項目であるということが言えそうだ。言い換えれば、自分の目で見えないところは、不信が募る項目・部位であるとも考えられる。消費者に安心して選んでもらうためには、目に見えない部分の性能をどのように表示するかを考えていく必要がありそうだ。




では、具体的にどのような表示なら消費者はわかりやすいのか。「省エネ性」をテーマにした性能表示で「参考にしたいと思う方法」を聞いてみたところ、もっとも参考になるのは、「光熱費が一般的な住宅と比べ〜円オトクに」など生活上の効果について具体的な数値データが表示されているもの、で8割の人が参考にしたいと回答。ただ、同じ数値でも、二酸化炭素の削減量など、生活上の実感の乏しい数値では参考にならないと考えているようだ。直接生活に関わる具体的な数値に落とし込まれたもののほうが、消費者にとってはイメージしやすく、わかりやすい。
二番目に多かったのは、「採用されている工法の表示」。これも中身の見えない「工法」部分の「見える化」につながる表現。ただ、Q値など、建築の専門用語を使った表現に関しては、参考にするという人が少なかった。生活上の具体的な効果がわかりにくく、実用的な「見える化」にはいたっていないということが考えられる。性能を表示する際には、消費者の目線に合わせた「見える化」が重要だと言えそうだ。
国土交通省は、改正建築士法に基づく建築士の講習制度について方向性をまとめた。7月27日に開かれた建築士制度小委員会で示した。主な内容は[囲み]の通り。具体的な講習内容については、講習機関によりバラツキが出ることを防ぐため、告示で定める方針だ。最終報告は12月にまとめる。
[建築士の定期講習の内容]
講義内容
建築基準法や建築士法などの改正内容、最新の建築技術、設計・工事監理の実務動向、建築物の事故事例、職業倫理など
講習時間
1日間(講義5時間程度)
修了考査
1時間程度。40〜50問程度の○×方式(類似問題が記載されていないテキストは持ち込みを認める方向)
再講義・再考査
修了考査に合格できなかった場合は、再度、講義・修了考査を受ける
[構造/設備設計1級建築士講習の内容]
講義内容
建築基準法、設計実務・法適合性確認実務(構造:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造など 設備:空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備など)、建築物の事故事例、職業倫理など
講習時間
3〜4日間程度
修了考査
6時間程度。択一式・記述式・図面作成などにより判定
再講義・再考査
修了考査に合格できなかった場合は、再度、講義・修了考査を受ける
(不足する知識・技能に限定も想定)
実務経験審査の方法
5年間の実務経験の具体的な内容(建築物の名称、構造、規模、担当業務、業務上の立場、設計図書のコピー)を提出(構造/設備設計などを担当した物件数条件などを規定することを想定)
※構造/設備設計1級建築士の定期講習は1日間の講習とする
[管理建築士講習の内容]
講義内容
建築士法などのうち建築士事務所業務に関連する事項、業務の進め方や管理方法、経営管理、紛争防止など
※講習日数・時間、修了考査の方式、修了考査に合格できなかった場合の措置は、建築士の定期講習と同様
実務経験審査の方法
3年間の建築士事務所での実務経験(設計、工事監理、建築工事契約事務、建築工事の指導監督、建築物の調査・鑑定など)の具体的内容を提出
全国宅地建物取引業協会連合会が発表した「不動産の日アンケート」の結果によると、住居選びの際の物件情報入手ルートで最も多かったのは「不動産情報紙」(43.9%)だった。さらに、「新聞折込チラシ」(42.1%)、「不動産情報サイト」(31.9%)が続いた。男女1030人に対して今後の不動産市場についても聞いた。「いま不動産は買い時だと思うか」の問いに対しては、半数以上が「わからない」と回答。「買い時」「買い時ではない」と答えたのはそれぞれ26.8%と21.7%でほぼ同数だった。
[つくり手の見方]
「買い時」「買い時ではない」が拮抗した結果となったのは興味深い。経済的な格差や景気の体感温度の差が出たといえる。そのなかでもローン金利や地価の上昇に敏感になっている様子がうかがえる。ローン相談会や土地情報の提供といった企画を検討してみたい。

ひび割れなど瑕疵のあるマンションを購入した所有者が建物の設計者や施工者に対して不法行為に基づく賠償責任を求めた民事訴訟で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は7月6日、福岡高裁が「不法行為と認められるのは、欠陥が建物の基礎や主要部分にかかわり、社会的、公共的に危険な場合に限る」とし所有者側の訴えを退けた二審判決を破棄、同高裁に審理のやり直しを命じた。
判決では「建物の建築に携わる設計・施工者は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者などに対する関係でも、当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべきものもある注意義務を負う」と指摘した。例えば、バルコニーの手すりの瑕疵により、通常の使用でも居住者などが転落するなどの危険が考えられるものもあるとし、基礎や構造にかかわる「重大な瑕疵」でなくても「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があった場合、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う」との判断を示した。一審の大分地裁では、施工業者側の不法行為を認め、計約7,400万円の支払いを命じたが、二審が所有者側の訴えを退けたため、所有者側が上告していた。



建築行政情報センターは、改正基準法の内容を建築行政担当者向けに解説した「改正建築基準法に基づく確認審査等に関する研修会」(建築行政情報センター)や「平成19年6月20日施行改正建築基準法・建築士法及び関係政省令等の解説」(日本建築防災協会、日本建築センター)などに対し寄せられた質疑について、国土交通省と協議しながら、専門のWG(ワーキンググループ)で回答を作成、ホームページ上での公開を始めた。そのなかから、木造住宅にも関わりがある項目を取り上げ、紹介する(公開データを抜粋)。
※以下略語について
建築基準法→「法」 建築基準法施行令→「令」
建築基準法施行規則→「施行規則」 構造計算適合性判定→「適判」
「ただし書き」の確認は適判不要
Q:法第20条第2号イの基準(許容応力度等計算)により安全性を確かめた場合には、適合性判定が必要となるが、木造の壁量計算において、側端部(4分の1)の検討をただし書きの偏心率0.3以下であることの確認をした場合も適合性判定が必要と考えるのか。それとも、許容応力度等計算ではなく、その一部の規定を準用しているのみであるため適合性判定不要と考えるのか。
A:「許容応力度等計算」と規定された一連の計算を行わないことから、適合性判定は不要となります。
地耐力確認だけでなく地盤調査資料が必要
Q:令第82条各号の基礎・地盤説明書について「その結果」を明示する旨が規定されているが、従来は地耐力を確認するケースがあった。新法ではこれを認めず、確認申請時に必ず試験結果を提出しなければならないのか。
A:地耐力を用いて計算を行うことは可能ですが、それをどのように確認したかを説明するための「地盤調査等」の資料が必要になります。
略伏図など、構造図コピーで代用可
Q:構造計算概要書に添付する略伏図、略軸組図及び部材断面表は、構造図のコピーで代用できるか。
A:可能です。
4号建物は「確認特例」で一部図書不要
Q:法第6条第1項第4号の建築物の確認申請において、施行令第46条の筋交い計算書の添付は今回の改正で義務付けられたか。条文からは読み取れなかったが。
A:施行規則第1条の3表2において「施行令第46条第4項に規定する基準への適合性の審査に必要な事項」の提出が義務づけられており、そのなかに含まれることになります。建築士が設計を行った場合には、法第6条の3に基づく特例が適用され、提出は不要です。
Q:法第6条第1項第4号の建築物で、建築士が設計したものは平面図に筋交い記入は不要だが、法20条が適用されるので各構造図と壁量計算、金物図の添付義務づけというのは矛盾していないか。
A:法第6条の3第1項第4号に該当する場合、確認の特例として法20条の審査はなく、図書は不要です。
構造計算行えば安全証明書は添付
Q:確認申請書に建築士法第20条第2項の安全証明書の添付は建物規模に関係なく必要か。構造木造3階建てでも必要か。
A:安全証明書は、自ら建築主となる建築物を構造計算している場合を除き、「構造計算」(種類や方法を限定していない)が行われている場合、建築士法上、必要となります。
構造に関係ない変更は再適判不要
Q:構造に関係しない部分で計画変更確認申請になった場合も構造計算適合性判定が必要か。
A:構造計算適合性判定は構造計算について行うものなので、構造計算に影響のない変更の場合は不要になると考えられます。
4号建物でも限界耐力計算は適判必要
Q:法第6条第1項第4号の建築物で限界耐力計算を行った場合は、構造計算適合性判定は必要か。
A:構造計算適合性判定が必要となります。
筋交い拾い忘れは問題なくても確認おりず
Q:施行令第46条の規定による構造耐力上必要な軸組の計算において、平面図に記載した「筋交い等」の一部を拾い忘れ、過小に計算した場合、図面の不整合と考えられる。この場合、軸組量に余裕があり、拾い忘れた筋交いを計算に含めずとも適法であることが明らかな場合、訂正を求めないで確認することは検査の「確認審査等に関する指針」に違反するか。
A:図面に不整合があり「確認審査等に関する指針」における軽微な不備と判断される場合には、補正を求める必要があります。それ以外は「確認することが決定できない旨の通知」を交付し、審査を完了することとなります。不整合が残った状態で確認済証を交付することは法令上認められません。
安全性は関係建築士全員で証明
Q:確認申請書の設計図書及び建築士法第20条第2項の構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合の証明書(安全証明書)において、その物件にかかわったすべての記名・押印が必要か。同じ事務所の無資格補助員が関わった場合の記名は必要なのか。必要ない場合、チェックを行った上司の記名、押印だけでよいのか。
A:証明書の交付義務は構造計算を行った(業務を受託して行った場合も含む)建築士にあります。共同で行った場合は関係した建築士全員が連名で証明することになります。