
新年明けましておめでとうございます。
2007年は様々な偽装が次々に暴かれた、そんな1年であったように思います。食品業界では消費期限や産地の偽装、当業界では建材メーカーの耐火性能の偽装などが次々に発覚し、世間の関心が今まで以上に安心・安全に集中した年でした。
保険法人認可取得に向け社内体制・増資を強化
今年も充実サービス、地盤保証+工事保険+住宅ローン
09年施行の住宅瑕疵担保履行法はつくり手にとって大きなチャンスに
そんななか昨年5月に住宅瑕疵担保履行法が国会で可決されました。皆様もよく御承知かと思いますが、今一度整理してみます。この法律の骨子は2つあり、ひとつめは09(平成21)年秋以降引き渡す新築物件については、供託金を積むか、瑕疵保険に加入するか、いずれかの選択が義務付けられたこと。もうひとつは、当社をはじめとする保証機関が瑕疵保険を扱うためには国交省に指定された保険法人にならないといけないことです。私たち住宅あんしん保証も、本年4月に保険法人の申請をすべく、社内体制の構築や10億円を目途に増資をするため、現在作業を進めている最中です。
昨年11月にはこの法律の政令案が公表され、供託金の計算方法が明示される(例えば年間4,000棟建築する住宅会社の場合、4,000棟×4万円プラス1億4千万の計3億円が1年目の供託金額になる)とともに、法律の本格施行日が09(平成21)年10月1日となりました。
さて、この住宅瑕疵担保履行法は地場工務店さん、ビルダーさんにとってどんな法律なのでしょうか?私は大きなチャンスであると捉えています。なぜならば、瑕疵保険をつけることで、ある意味大手の住宅会社と信用力の面で互角になるわけですし、特にいい仕事をされる業者さんにとっては、自動車保険と同じように料率が有利になることが予想されます。また、それが優良業者の証にもなるのではないでしょうか。
法律が施行されるまでは瑕疵保証を付けなくても法律上は問題ないわけですが、注意しないといけないのは、09年10月1日以降引き渡し物件でも、最低限その半年前には付保する必要があり、万が一それを怠ると、1棟目の住宅には2,000万円を供託しなければならないことです。また、建売の売れ残り物件については、建築後1年以内のものについては新築とみなされるため、今年の春ごろから着工する建売物件ならば保険を付保しておく方がベターだと言えそうです。
また、一昨年(06年)の12月に宅建業法と建設業法が改正され、宅建業法では瑕疵保証を付けているか付けていないかを買主に説明することが義務付けられています。また、建設業法においては、瑕疵保証を付ける場合、それを施主に説明する必要があります。
いずれにしても、お施主様に瑕疵保証のことを説明したうえで、必要ないと確認できれば問題ありませんが、保証を付けずに何の説明もなく契約して、後から「瑕疵保証付いてますよね?」と言われたら大変な事態になることは言うまでもありません。何より消費者の関心がこれほど安心・安全に向いていて、かつ消費者が真剣に保証を求めている昨今の状況を考えますと、事実上の瑕疵保証の義務化はすでにスタートしていると言えるでしょう。
さて、当社が本年度瑕疵保証以外に力を入れているのが、地盤保証、工事保険、住宅ローンです。地盤保証については、瑕疵保証のように義務化は決定していませんが、地盤に起因する瑕疵を考えますと、ぜひとも瑕疵保証とセットで付保することをお薦めします。また、地盤調査と改良工事について、「見える化」を推進していき、皆様方にとってもっと透明性の高い、使い勝手のよい仕組みを作っていきたいと考えております。「あんしん・とくとく倶楽部工事保険」は、地場工務店・ビルダーさんの様々なリスクを幅広くカバーできるという点、とにかく安いという点で皆様方から大好評です。今年はもっと、あんしん・とくとく倶楽部の輪を広げていきたいと思います。皆様方の経費削減にも必ずお役に立てるものと確信しておりますので、ご利用を検討頂ければ幸いです。
また、住宅ローン(フラット35)については、供給をスタートさせて頂いてから1年余りが経過しましたが、昨年11月より取り扱い窓口が日本モーゲージサービスからジェイ・モーゲージバンクに変更になりました。申し込み手続き等も、以前より手軽・簡単に行えます。今後、金利が少しずつ上昇していくことを考えますと、いまの安い金利の間に長期固定のフラット35をお施主様に薦めることが、受注を獲得するうえで大きなアピールポイントになるはずです。ぜひ積極的にご活用ください。最後に、本年度も皆様方のより一層のご支援をお願いしまして新年のご挨拶とさせていただきます。
1.住宅取得コスト上昇、一次取得者の需要に一服感
原油価格の高騰や中国などの原料需要を背景に、建材・設備価格の上昇が顕著に。機を同じくして地価も上昇トレンドに入り、金利の先高感とも重なって、消費者マインドが停滞する1年となった。団塊ジュニア層の需要も一服感。購買力限界の低下を指摘する声も多く、先行きに対する懸念が強まった。
2.サブプライムローン問題、米国経済が失速
米国で貸し付けられた住宅ローンのうち、優良顧客以外の層(=サブプライム層)を対象としたローンの焦げ付きが増加。証券化された債権を世界中の金融機関が購入しているため、世界的な問題となった。日本の景気に与える影響も懸念される。
3.建築基準法改正の影響、住宅着工戸数が激減
6月20日、建築確認申請の厳格化を盛り込んだ改正建築基準法が施行に。だが、内容の周知不足などが原因で、設計業務の大きな停滞を招いた。この停滞は、もともと冷え込んでいた持家市場に追い討ちをかけ、7月以降の新設住宅着工戸数が大幅に前年割れとなった。

4.震度6強の地震が日本海側を続けて襲う
3月25日、能登半島地震。
7月16日、新潟県中越沖地震。
ふたつの大きな地震が立て続けに日本を襲い、3,000人近い死傷者数、7万棟を超える住宅被害を出した。専門家は「構造的に問題のある古い住宅が壊された」と指摘。木造住宅の耐震設計のあり方が問われた。
5.京都議定書の約束期間が目前、省エネに関心
京都議定書の約束期間が始まる2008年を前に、温暖化対策への関心が各方面で高まった。特にCO2排出量の増加が著しい家庭部門は、決め手となる省エネ対策に欠けるため、省エネ改修促進税制や省エネ法による規制が検討された。住宅の環境性能を測るツールとして、「CASBEE(キャスビー)すまい[戸建]」も実用化。


6.200年住宅ビジョンで超長期・循環利用の方向明確に
「200年住宅ビジョン」が政府の骨太の方針に盛り込まれ、超長期・循環利用というキーワードが浮き彫りになった。国土交通省はビジョンを政策化するため、08年度予算の概算要求に108億円を計上。「ストック重視」「循環型経済」への移行が明らかとなった。


7.「耐火偽装」で住宅産業への不信が拡大
ニチアスと東洋ゴム工業が、防火関連の大臣認定を不正に取得していたことが発覚。耐震偽装から続く住宅産業への消費者の不信を拡大した。国土交通省はサンプル検査に乗り出したが、もしそこで偽装が発覚すれば影響は甚大。業界あげての信頼回復の必要性が叫ばれた。

住宅・建築分野における今後の省エネルギー対策の方向性について、賃貸や戸建て住宅を販売する事業者に対し、住宅への省エネ性能向上の目標設定を求める方針を盛り込んだ報告書を国土交通省の諮問機関がまとめた。同省はこの報告書をもとに、省エネ法改正案を次期通常国会に提出する予定だ。現行の省エネ法は、床面積2,000m2以上の住宅・建築物を新築する際の届出義務などの規制を設けているが、対象となる建物は、住宅が床面積ベースで21.5%と限定されている。
こうした状況を踏まえ、報告者は届出義務の対象を2,000m2満の建物まで拡大する必要性を強調。建築主と居住者が異なる中小規模の賃貸住宅では、家賃に反映しにくいなどの理由で省エネ化が進みにくい状況があるとし、義務付けの対象に含める必要性が高いと具体的に提示した。
戸建て住宅については、供給戸数も多く、個別に省エネルギー性能を把握することは難しい。このため、販売や賃貸を目的として継続的に戸建て住宅を建築する事業者に対して、供給する住宅全体の省エネ性能向上の目標を設定する方向での規制強化を提示。注文住宅については、建築主が的確な省エネ装置などを選択できるよう、設計者や施工者が省エネ性能向上に向けた助言、提案をおこなっていくしくみの構築が必要とした。
国土交通省は、2007年6月20日の改正建築基準法施行の影響による混乱を受け、日本建築構造技術者協会(JSCA)や各都道府県の建築士事務所協会の会員などが、構造基準の見直しへの対応、新しい申請図書の作成方法などについて、面談方式で直接アドバイスするサポートセンターを設置する措置を追加した。相談窓口の設置期間は2008年3月までとなる予定。対象となるのは、中小の建設業者、大工、工務店など。特に、3階建てなど手続きに大幅な変更があった物件で、建築確認申請の混乱を解消するのがねらいだ。相談は無料。鉄筋コンクリート造・鉄骨造の建築物については、各都道府県1カ所を原則に全国的にサポートセンターを設置する。JSCA神奈川やJSCA東京をはじめとする各県で相談受け付けを開始している。
申し込みができるのは、確認申請提出前または申請中の物件で、構造設計を担当した一級建築士本人が相談する場合に限る。設計方法や構造計算結果の検証といった相談には応じない。木造3階建て・混構造の住宅に対しては、木造3階建ての建設件数の多い10都道府県に建築士事務所協会と協力して設置。そのほかの地域は、日本住宅・木材技術センターで一元的に対応する。国交省では、木造3階建てに関するマニュアルを作成しており、これと並行して建築士事務所協会ではサポートセンター開設にともなう人員確保を行っている。
※サポートセンターに関する情報
日本建築構造技術者協会(JSCA)http://www.jsca.or.jp
日本建築士事務所協会連合会 http://www.njr.or.jp
北海道・埼玉・千葉・神奈川・新潟・愛知・京都・大阪・兵庫の建築士事務所協会
与党税制改正大綱が決まった。住宅関連では、省エネ改修促進税制と200年住宅促進税制が盛り込まれた。政府はこの大綱にもとづき、通常国会に税制改正法案を提出する。省エネ改修促進税制は、所得税控除と固定資産税減額の2本立て。対象となる省エネ改修工事は30万円以上の規模で、居室のすべての窓の改修工事と、あわせて行う壁などの断熱工事。改修部位が次世代省エネ基準以上の省エネ性能を満たし、現状より性能を向上するもの。
所得税控除は、2008年4月1日〜12月31日の間に省エネ改修工事を行った場合、ローン残高(上限:省エネ改修分200万円、その他分と合計で1,000万円)の一定割合(省エネ改修分2%、その他分1%)を5年間、所得税額から控除する。現行の住宅ローン減税と比べたうえで、消費者が好きな方を選択できる。固定資産税は、08年4月1日から10年3月31日までの間に工事を実施した住宅の翌年度分の固定資産税(上限120m2分)を3分の1減額する。200年住宅促進税制は、次期通常国会に提出される予定の関連法が規定する性能を満たす住宅について、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の負担を軽減する。一般住宅に比べて、高くなる建設費や税負担を軽減することで、200年住宅(超長期利用住宅)の普及につなげる。
人口から見ると、2008年は住宅需要のピークを迎える年となる。その理由は、08年から10年にかけて30歳から60歳台の住宅需要人口がピークを迎えるからだ。ところが持ち家の新築住宅着工は06年後半から失速、07年2月からは前年割れを続けている。そこに改正建築基準法の施行が追い討ちをかけた。4号建築物(木造2階建て等)に限っては確認検査の混乱は収束、07年4月頃から新築着工への影響も払拭されるだろう。だが、冷え込み始めていた持ち家市場が持ち直すかは不透明だ。

持ち家市場が持ち直すかどうかの鍵を握っているとされるのが、人口の巨大な塊である「団塊ジュニア世代」と「ポスト団塊ジュニア世代」「団塊世代」のマインド(=住宅所得意欲)だ。団塊ジュニアは08年に34歳〜37歳、本来なら最も住宅取得に意欲的な時期を迎える。だが、ここ数年の低金利と地価の先高感、手ごろな物件・商品の大量供給が重なり、一種の住宅ブームが発生。すでに団塊ジュニアの持ち家率は上昇、需要に一服感が出てきている可能性がある。
団塊ジュニアの下の世代のポスト団塊ジュニア世代も30代前半となり、住宅取得期を迎える。ポスト世代はジュニア世代よりも持ち家志向が高いが、資金がネックとなる。08年も団塊世代のリタイアが続くため、それに伴うメンテナンス、リフォーム、住み替え・二地域居住などの需要が期待できる。ただし、数字に表れるほどの力強さはまだなく、エリアや依頼先にも偏りが見える。また、団塊世代でも資金に余裕がある層は限定的。将来不安から様子見も多い。
潜在需要は期待できるこの3世代だが、08年はそのマインドを明るくする材料は見あたらない。見えるのは暗い材料ばかりだ。08年は「サブプライムローン問題」が引き続き世界経済にダメージを与える。好調を維持してきた日本の輸出企業も影響を受ける可能性があり、景気の減速要因となる。また、原油価格の高止まりで生活に密着する製品・サービスの値上げがさらに増える。これらはマインドの低下につながる。住宅取得コストの上昇もマインドを低下させる。原油高騰で資材価格も再高騰。都市部の地価も選別的ではあるが08年までは上昇を続けそうだ。一方で、ゼロ金利解除後上昇トレンドにあった住宅ローン金利は踊り場に。消費税の先行きも不透明のため、買い急ぎはなくなっている。
さらに08年は、特に資金に余裕のない消費者からのデフレ圧力(=価格引下げ圧力)が一層厳しくなるだろう。そこに原料インフレ(資材価格の高騰)と都市部地価の上昇が重なることで、工務店は一層「高く買って安く売る」ことを強いられる。これは工務店の経営を圧迫する。
さらに08年から2年間は法改正の大波が工務店を襲う。08年から09年にかけて確認検査の4号特例見直し、200年住宅ビジョン関連、建築士法改正、温暖化・省エネ対策関連、瑕疵保証保険・供託の義務化など大きな法改正が相次ぐ。これらへの対応は工務店の負荷となる。工務店の二極化がさらに進み、廃業や下請シフトが増えることは避けられないだろう。08年から数年は工務店にとって正念場が続くことになる。