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認定制度スタートへ動き本格化
・優遇税制や確認の特例で普及目指す 税負担は一般住宅並みに低減
「200年住宅」をめぐる動きが本格化している。2月下旬の国会に提出する「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」(仮称)の具体的な内容が見えてきた。耐久・省エネなど一定以上の性能を備える住宅を「長期優良住宅」として認定し、建築確認申請の省略や優遇税制などのインセンティブを設けて普及を促進する考えだ。
福田首相の肝いりで始まった「200年住宅」の普及に向けた施策の大枠が見えてきた。長期使用に耐える構造・設備性能、維持保全に関する計画の作成といった条件を満たす住宅を「長期優良住宅」として認定、取得時の優遇税制や維持保全への支援で普及促進を図るというものだ。その骨子を定める「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(仮称)には、自治体による「長期優良住宅建築等計画」(仮称)の認定制度の枠組みや、認定基準の項目を規定。認定住宅の流通を促進する制度も盛り込み、2008年中の施行をめざす。
建物の認定要件
認定要件の項目は、構造躯体の耐久性、住宅の耐震性、内装・設備の維持管理の容易性、空間の可変性などを盛り込む方針[下図]。具体的には、JAS規格材など高品質木材の使用、数百年に一度程度発生するような大地震にも容易に機能を再生できる耐震性能を備えることなどが求められそうだ。十分な省エネ性能の確保といった、躯体を長期利用するうえで考慮しなければならない性能要件も盛り込む。



ソフト面の配慮も
点検や補修の計画を定めた維持保全計画の作成や、工事履歴の蓄積(「住宅履歴書」)などソフト整備についても認定要件に含める。詳細な基準は省令や告示で定める方針。基準には住宅性能表示制度など既存の制度・規格を活用することを検討している。
確認省略も検討
たとえば「長期優良住宅」の認定申請時に建築確認関連書類を一括受け付けすることで確認申請を省略できる特例など、柔軟な制度運用も検討する。また、流通の促進を図るため、住宅性能表示制度でこれまで新築でしか認められていなかった、性能評価書による「みなし契約」規定を中古の認定住宅の売買時に適用することなども検討する。
インセンティブ
200年住宅は、一般住宅と比べ建設コストが約2割高くなるといわれる。この費用が普及を妨げる可能性もあるため住み手・つくり手それぞれにインセンティブを設けた。消費者向けには、登録免許税・不動産取得税・固定資産税について税率抑制などで税負担額を一般住宅と同程度以下にしたい考え。[上記表]は、そのシミュレーションだ。取得当初10年間の納税額は一般住宅が最大88万円なのに対し、200年住宅は最大83万円に。促進税制がない場合の納税額は97万円なので14万円の負担削減になる。
つくり手向けには、先導的補助モデル事業で市場を活性化する。事業の公募は年度開始早々にも始める。共同・戸建て問わず提案可能で、既存住宅の改修提案や維持管理・流通などシステムの提案も補助対象となる。
性能不足786棟が改修へ
5月までにサンプル調査を実施 防耐火認定不正は98件に
ニチアス(株)と(株)東洋ゴム工業が不正な試験体を使って防耐火関連の大臣認定を取得していた問題を受け、国土交通省が実施していた緊急調査で新たに21件の認定に問題があることが1月25日わかった。これまでに問題が発覚した建材は認定件数で98件、企業数で45社にまで増えた。調査は98%まで進んでおり、今後、国は並行して160件分のサンプル調査を実施していく。
新たに不適切な処理が明らかになった21企業(1/25時点)
●ヴェステック ●エムアールシー・デュポン ●オークラウッド ●熊平製作所
●くろがね工作所 ●シーアイ化成 ●住友スリーエム ●ゼオン化成 ●積水化成品工業
●東洋鋼鈑 ●南海プライウッド ●日新製鋼 ●日本軽金属 ●日鉄住金建材
●Bb Wood Japan ●富士ファニチア ●三菱化学産資 ●三菱樹脂
●ムサシパーティション工業 ●ロングホーム ●ユナイトボード ●YKK AP ●綿半鋼機
●ワールドガレージドア (50音順)
不正内容の内訳は、申請仕様と異なる試験体で受験したケースが前回から5件・2社増え、計12件・5社となった。認定の仕様とは異なる仕様で販売したケースは43件・23社増え、81件・38社となった。このうち使用実績があり性能を満たさない5件の認定で、計786棟の改修を行う予定。改修予定の建材のうち、YKKAP(株)の防火用住宅折りたたみ戸は、594棟で使用。防火設備として必要な防耐火性能20分に対し、社内試験の結果16〜18分にとどまっているという。
(株)日本防災化学研究所の不燃処理木材2種類は、前回報告時で出荷した仕様で再試験を受けたが不合格になった。このため、実際に使われている12件については改修、または実際の物件で求められる基準法要件に応じて低い性能の認定に切り替え再度試験を受けて対応する。日本軽金属(株)の工場の間仕切りなどに使うパネル2種には、性能が基準の5分の1程度しかないものもあった。使用した180棟を改修する。

住宅瑕疵担保履行確保法の施行規則 保証法人の指定要件を提示
基本財産または資本金の総額が2億円以上(国交省)
住宅建設業者などに保険加入や保証金の供託を義務付けする「住宅瑕疵担保履行確保法」の施行(保険加入などの義務化は09年10月1日から)に向け、国交省は昨年12月28日、施行規則案の概要を提示した。住宅瑕疵担保責任保険契約の内容や住宅瑕疵担保保証金に充てることができる有価証券の種類、指定保険法人となるための要件などについて概要を提示した。
保証金は有価証券も
供託する保証金には、現金のほかに有価証券を充てることができるが、その有価証券として国債証券、地方債証券と国土交通大臣が指定した社債券その他の債券を規定することとした。有価証券の区分別の価額は[下記表]の通り。国債証券以外は額面から割り引かれる方針だ。
保証法人の指定要件
既存の保証会社などが、法による保険法人の指定を受けるための要件も提示。たとえば、資力的な要件として基本財産または資本金の総額が2億円以上とする方針を示した。これに満たない保証会社は増資などの対応を迫られる。住宅あんしん保証では、すでに10億円への増資を決定しており社内整備も進めている。
08年4月に法人指定
施行日は、保険法人の指定と紛争処理体制の整備等に関する規定が2008年4月1日、住宅瑕疵担保保証金等に関する規定は09年10月1日の予定。


計画変更の円滑化のためのガイドライン
計画変更手続き不要とする事例を提示
建築確認手続きの緩和(関連省令07年11月14日施行)により、軽微な変更に該当する場合の取り扱い弾力化など、計画変更手続きを不要とする対象範囲が拡大された。その内容を、事例を使ってわかりやすく解説したガイドラインが公開された。(財)建築行政情報センターなどのホームページ(http://www.icba.or.jp)でPDFデータがダウンロードできる。
今回の緩和で、たとえば、計画の変更の内容が建築基準関係規定に照らして「安全上、防火上及び避難上の危険の度並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害の度が(変更前より)高くならない」ものであれば、軽微な変更として取り扱いでき、計画変更の手続きをしなくてもよくなった。ガイドラインでは、パラペットの高さを低くする場合をあげて説明している。
また、建築計画時にあらかじめ変更の可能性を検討し、複数のオプションを建築確認時に申請しておけば、そのオプションの範囲で施工する限りは、計画変更手続きは特に必要なくなった。あらかじめ変更の可能性を検討している施主がいれば、このガイドラインを参考に申請しておくのもひとつの手だ。ガイドラインでは、それぞれのケースの手続きの進め方について、フローチャートを使って報告のタイミングや具体的な手続きの内容をわかりやすく解説している。

2007年の新設着工106万戸 前年比17.8%減で大幅落ち込み
建築基準法改正の影響色濃く
持家は消費者の「様子見」で12.2%減
2007年(平成19年)の新設住宅着工数が明らかになった。新設住宅総数は、106万741戸で前年比▲17.8%と大幅に落ち込んだ。持家だけでみても31万4865戸と同▲12.2%だった。戸建て住宅を工法別でみると、在来木造31万9024戸(同▲10.2%)、ツーバイフォー4万6987戸(同▲15.1%)、プレハブ6万4364戸(同▲10.8%)と、すべての工法で前年比減となった。
背景には、見切り発車でスタートした建築基準法改正により、設計業務が大幅に停滞したことが大きい。さらに持家では、団塊ジュニア層が一服感を迎えたこと。消費税率の引き上げが白紙となり、金利水準がいま以上に下がるのではと考える一次取得者層が、「様子見」「待ち」の姿勢に入ったことが挙げられる。

2008年中めどに「4号特例」見直し
伏図・構造詳細図・壁量計算書など提出義務付けへ
つくり手の手間増確実
耐震偽装から始まった法改正の一環として、2008年12月までに確認検査の際4号建築物に適用されている特例(4号特例)が見直される予定だ。つくり手は自社の設計・申請のスタンスとプロセスを再構築する必要がある。
4号建築物とは、[下記図]の条件に当てはまるものをいう。現状では、4号建築物のうち建築士が設計したものは確認検査の特例が適用され、本来提出が求められる伏図・構造詳細図・壁量計算書などの提出が免除される。だが、新設された「構造設計一級建築士」などの専門能力をもつ建築士が設計した場合を除き、この特例が原則廃止となる。通常の工務店は、免除されてきたこれらの書類提出が義務化されるため、手間は確実に増える。日本住宅・木材技術センターのホームページによると[下記表]に挙げた書類の提出が求められる予定だ。

壁量計算書
具体的には次の壁量計算書が求められる。
| (1) | 地震と風圧力から必要な耐力壁の量を計算し建物に配置された耐力壁の量がそれを 上回っているかどうか確認できる計算書 |
| (2) | 建物4面の耐力壁の量が法律に規定されたもの以上であるかどうか確認できる計算書 |
構造計算書を作成していない工務店は多いが、これを機に義務化前から作成体制を整え住み手に提示してもいいだろう。
伏図
プレカットを採用している工務店の場合、伏図はプレカット工場が作成するケースが多い。特例廃止後もプレカット工場に伏図作成を依頼するなら、申請に間に合わせるために早い段階で基本設計を確定する必要がある。手刻みを基本とする工務店にも伏図の提出は義務付けられる。これをどう作成するか悩みどころだが、対策を考えておきたい。
やるべきこと
現状では、確認申請の6〜7割を4号建築物が占めている。シンプルな設計が多いものの、絶対数が多いため提出書類が増えれば審査側の負荷も大きくなる。4号特例廃止時に、07年6月20日の改正建築基準法と同じような不手際があれば確認検査は完全にストップ、経済的な影響も甚大だ。すでに経済界からは特例廃止の時期について慎重な検討を要望する声があがっている。もちろん、つくり手側にとっても、法改正による混乱や受注減は避けたい。まずやるべきは、自社の設計・申請のスタンス+プロセスを再構築すること。自社でどこまで設計を行うのか、図面・書類はどこまでだれがつくるのか―。この機会に外部とのコラボレーションも積極的に検討したい。自社ですべて対応するなら、構造設計のスキルアップは必至。プレカット工場と連動するCAD・構造計算システムの導入も考えたい。
















