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30年以上の維持保全 計画認定の条件に
・「長期優良住宅普及促進法案」4月中にも国会通過へ
自民党の「200年住宅ビジョン」をベースにした、住宅の長期利用を促す「長期優良住宅普及促進法案」が2月26日閣議決定され、国会に提出された。このままいけば4月には国会を通過、公布され、年内に施行の見通しだ。
法案は全体で21条とコンパクトなものになった。住宅の長期利用を進め、国民生活の向上、環境負荷の低減を図ることを目的に、国土交通大臣が基本方針を策定し、それにもとづき国、地方自治体が普及・促進のための施策を講じていくことを定めている。具体的な推進方策としては、耐久性、耐震性、可変性など一定の条件を備えた住宅を「長期優良住宅」として位置づけ、その建設や定期的な点検、適切な補修(維持保全)の実施を盛り込んだ「長期優良住宅建築等計画」を認定する制度を創設する。
注意したいのは、認定の対象となるのが住宅単体ではない点だ。長期優良住宅の建設と維持保全(点検・メンテナンス)について、資金・時期・方法といった具体的な計画をまとめた「長期優良住宅建築等計画」が認定の対象となる。計画の認定基準は
(1)住宅の構造・設備が長期使用に適していること
(2)住宅規模が一定規模以上であること
(3)住宅の維持保全期間が30年以上であること
(4)適切な維持保全の方法であること
(5)資金計画が適切であること
―など。認定を受けるには、これらを満たすとともに「住宅履歴情報システム」を採用することなどが求められる。

認定のメリット
制度の利用は任意とされているが、認定を受けるといくつかのメリットが期待できる。
●建築確認や住宅性能評価の特例措置
●新築時や補修時の金融支援
●税制の特例措置(控除)
●将来の財産価値や中古流通のしやすさ
また住み手にとってもメリットは大きい。ひとつは、長期優良住宅の条件を満たす「先導的」な新築・既存住宅に対して直接補助金が交付される別事業の創設。詳細は未定だが、1棟あたり100万円単位の補助となる見込み。もうひとつは、税負担を一般住宅並みに抑える減税措置。長期優良住宅にすることで建築コストが上昇、負担増となる登録免許税・不動産取得税・固定資産税を減額し、税負担額を一般住宅と同等以下(試算では現行から14万円減税)とする。
既存住宅も認定対象
「200年住宅」という言葉が先行したが、今回法案で求めた維持保全期間は30年以上。比較的短くても認定が受けられる。認定の対象は新築住宅に限らず、既存住宅でも基準を満たしていれば対象となる。このため認定期間が終了後、再度計画の認定を受けることも、運用上は可能だ。
新築に比べ性能の評価が難しい既存住宅について、基準を満たしているかどうかを評価する具体的な手法は、今後検討されていくが、現在構造などの基準のものさしとして有力視されている住宅性能表示制度による性能評価を受けた住宅については、スムーズに利用できる公算が大きい。既存住宅性能表示制度の見直しを行い、利用できるようにすることも考えられる。
構造・設備の新資格講習6月からスタート:建築技術教育普及センター
4月から各地で申し込み開始 既存資格者は一部講習免除も
建築技術教育普及センターは、専門資格「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」の資格取得講習の実施概要を発表した。6月から順次開始する。同センター各支部で4月上旬に受験申込書の頒布を始め、4月中旬に申し込みの受け付けを開始する。
講習の内容は「構造」が2日間の講義(1日目7時間、2日目5時間)と1日間の修了考査(6時間)、「設備」が3日間(いずれも7時間)の講義と1日間の修了考査(6時間)。建築設備士、日本建築士会連合会の「構造専攻建築士」などの既存資格保持者には講習の一部免除を想定し、講習内容の詳細とともに法令による基準が決まり次第公表する。修了考査は、「構造」が7月20日、「設備」が7月13日。講習修了者の発表はいずれも9月中旬を予定。
問い合わせは、センター本部事務局:03-5524-3105まで。

「エコ・リュクス」な暮らし紹介する冊子を作成(環境省)
エコハウスをわかりやすく解説 省エネリフォームアイテムも紹介
環境省は、快適な暮らしと省エネを両立するエコハウスの快適さと具体的な省エネアイテムなどを分かりやすく伝える小冊子「住みたい!建てたい!伝えたい『エコ・リュクス』なわが家」を作成した。「エコ・リュクス」とは環境(エコ)と自分のぜいたく(リュクス)をともに大事にするライフスタイルを形容する新しい造語。
小冊子は、住宅の「断熱」や「気密」といった建築技術に自然の持つ力を最大限に生かす工夫を加えたエコハウスの快適性や省エネルギー性を「風」、「光」、「水」、「木」という4つのテーマに分けて、わかりやすく伝える内容となっている。具体的な技術や省エネアイテムについて写真を使って視覚的にわかりやすく伝えるとともに、テーマごとに、省エネリフォームでも生かせるアイテムを紹介している。各地の地球温暖化防止活動推進センターや各種環境イベントなどを通じて配布を予定しているほか、「環のくらし」ホームページ(http://www.wanokurashi.ne.jp)にも、概要を掲載する予定。

住宅瑕疵担保責任保険法人の指定方針
保険検査の時期が明らかに
200年10月からの瑕疵保険などの義務化に向け、保険法人の指定要件を国土交通省がまとめ、公表した。国は4月から保険法人の指定申請を受け付けるが、指針にもとづいた保険会社でなければ指定を受けることはできない。今回、国が提示した要件は大きく分けて、(1)保険事業の収支状況(2)必要な資格者の数(3)実施する住宅検査(時期)、(4)役員の制限―の4つ。
このなかで、住宅事業者に関係があるのが(3)の項目。検査の時期が改めて示された。詳細は[下囲み]の通り。これから利用しようとする業者は自社の作業工程を見直す必要がでてくるかもしれない。(2)は、例えば検査員は最低でも18人以上の建築士が必要になる。年間引き受け棟数が多ければ、より多くの人員を確保しなければならない。委託も認められるが、この場合は自社検査員の2倍の要員を確保しなくてはならない。
(4)の保険会社の役員構成については、住宅販売業者や建材メーカー等(以下、制限業種)の役員や職員を3分の1以下とすることなどを条件として盛り込む。株式会社の場合、制限業種一社が3分の1を超える議決権を持つことも認めない。
住宅の検査の実施
(1)階数が3以下の住宅
基礎配筋工事の完了時(プレキャストコンクリート造の基礎については設置時)と躯体工事の完了時または下地張りの直前の工事の完了時
(2)階数が4以上(地階を含む)の住宅
基礎配筋工事完了時、最下階から数えて2階と3に7の自然数倍を加えた階の床

大規模住宅業者に省エネ措置義務化
省エネ法改正案が国会へ
日本は京都議定書で2008〜10年度の平均で90年度比6%の温暖化ガス排出量削減を実現しなければならない。だが、現行の政策だけでは目標に届かない可能性が高い。そこで政府は3月末をめどに「京都議定書目標達成計画」の見直しを進める。
今後の方向性
先ごろ地球温暖化対策推進本部で了承された見直し計画案には「削減約束を確実に達成する」と明記された。今回の省エネ法改正案は、こうした状況を反映して従来よりも一段と厳しいものになっている。住宅・建築物関連では、強制的手法を中心にCO2排出削減を推進する考え。主な内容は以下のとおり。
| (1) | 現行法では床面積2,000m2以上の建物を新築・増改築する際に義務付けられていた省エネ措置を300m2程度の建物まで拡大 |
| (2) | 2,000m2以上の建物で措置が不十分な場合は、特定行政庁などが是正命令を出すことを可能に。従わない場合は100万円以下の罰金を科す |
| (3) | 住宅を建築・販売する事業者に対し、政令で定める特定住宅の省エネ性能向上を促す措置を導入 |
| (4) | 多数の住宅を建築・販売する事業者に対しては勧告・命令。従わなければ100万円以下の罰金を科す |
施行日は09年4月1日から。規模要件の拡大については10年4月1日から。

経産省など 年度末に向け中小企業対策を緊急強化
セーフティネット保証を継続・強化
年度末の資金繰り対策に、相談窓口も開設
原油価格の上昇や建築着工件数の落ち込みなどにより、中小企業の経営環境が厳しくなっていることを受け、国は年度末の資金繰りなどの対応策を講じることを決めた。関係閣僚による会合で具体的な対策を取りまとめた。金融面での対応策としては、原油・建築関連セーフティネット保証について、現行対象業種(53業種)の指定期間を3月31日から6月30日まで延長する。さらに業況の悪化が著しい業種については緊急調査を行ったうえで、対象業種として追加指定する。
小規模・零細事業者向けの年度末の資金繰り支援としては、国民公庫の第三者保証人不要の融資制度の融資限度額を2,000万円から4,800万円に引上げる。同時に、政府系金融機関などに対し、中小企業の年度末の資金需要への配慮を文書で要請し、資金需要のタイミングに応ずるよう手続きの迅速化を進める。幅広く相談を受け付ける相談窓口として「年度末金融円滑化ホットライン」を開設、電話での相談に応じる。集まった情報は、金融機関に提供するとともに、検査・監督にも活用していく。建築関連中小企業向けの金融支援に関するパンフレットを30万部作成し、関係団体などを通じてPRしていく。
混乱回避のため「4号特例の見直し」先送りへ
国土交通省は、今年12月までに確認検査の際4号建築物に適用されている特例(4号特例)を見直すことを打ち出していたが、これを先送りする方針を決めた。昨年6月20日施行の改正建築基準法の混乱、建築確認の厳格化で住宅着工件数が急減したことを受け、再混乱を招かないための判断とみられる。予定されていた「4号特例の見直し」は、構造設計一級建築士などが設計した場合を除き、特例を原則廃止。壁量計算書や伏図、構造詳細図、接合金物図面などの提出を義務付けるとされていた。ただし、見直し時期が先送りになっただけで、国交省の準備が整い次第実施される見通しだ。
建築設備士に一級建築士受験資格 08年試験から
国土交通省は2月7日、建設省告示第990号の一部を改正し、建築設備士として建築に関して4年以上の実務経験を持つ人に対して、一級建築士の受験資格を与えることにした。該当する建築設備士は今年の一級建築士試験から受験できる。09年6月の改正基準法施行後、一定規模以上の建物の設備設計については、設備設計一級建築士によるチェックが求められるようになる。今回の措置は、法改正後の不足が懸念されていた、設備設計一級建築士の確保をねらったもの。
ゆうちょ銀行の住宅ローン参入にゴーサイン
郵政民営化で誕生した超巨大銀行・ゆうちょ銀行に住宅ローンの認可がおりることになりそう。政府の郵政民営化委員会が2月22日、申請されていた住宅ローンなどの新規業務について「民間との競争関係をゆがめることにはつながらない」とした意見を公表。金融庁と総務省にも意見書を提出した。近く認可が出る見通し。認可がおりれば、まず三大都市圏の50店舗で、提携したスルガ銀行の住宅ローンを代理販売する予定だ。
ニッポンの家の耐震化率を高める
耐震改修への助成 各地で創設相次ぐ
2008年度の住宅施策で「200年住宅」のほかに注目を集めそうなのが耐震改修促進に関する施策だ。国は08年度予算案で耐震改修促進事業の補助率の引き上げを決め、それを受けるかたちで地方自治体による補助事業の創設が相次いでいる。愛知県や大阪市など、独自の制度を創設する自治体も増えている。
国の専門委員会が昨年11月に発表した近畿・中部圏の内陸型地震による被害想定の建物全壊数は、最悪の場合、近畿圏・大阪(上町断層帯地震)約97万棟(うち揺れ約56万棟)、中部圏・愛知(猿投―高浜断層帯地震)約30万棟(うち揺れ約15万棟)と、いずれも阪神淡路大震災を大幅に上回る被害が想定されている。特に大阪は古い木造家屋が密集する地域が多く、最悪時で約4万2,000人もの死者が出る可能性もある。
だが、住宅の耐震化は進まない。国は08年度の予算案で、高齢者など震災弱者の支援を主眼に置き、耐震改修促進のための施策に予算を重点配分した。予算額は国費ベースで07年度比1.25倍と大幅に上乗せ。住宅関連予算の総額が0.97倍と縮小していることを勘案すれば、住宅政策における相対的な配分では約1.29倍に増やす。こうした動きを受け、各地方自治体は耐震改修の補助事業を拡充する動きが活発化。独自の制度を創設するところも相次いでいる。

広報活動など補助事業の周知徹底 (東京都)
東京都は民間建築物の耐震化を促進するため、2月に推進本部を設置。現行の耐震改修促進制度や08年度から新たに創設する補助事業を整理し、広報活動などを通じて住民への周知徹底を図る。耐震性に不安のある木造住宅を個別訪問するなどきめ細かい対応で実施を促す予定だ。08年度の新制度としては、これまで耐震診断だけが対象だったマンション向けの補助に耐震改修の補助事業を創設、1億円(都負担ベース)の予算を計上する。また緊急輸送道路沿いの建築物の耐震化を進めるため、対象を07年度の3路線(約38km)から緊急輸送道路全路線(約1,970km)に拡大。予算は1億3,000万円から4億円に拡充し、計上している。
改修費概算見積もりを提示 (愛知県)
愛知県では、民間住宅を対象にした無料耐震診断の際に、改修費用の概算を提示する取り組みを試みる。耐震診断を担当した建築士が診断結果とともに想定される改修内容と改修費用の概算見積もりを作成、診断を受けた全員に提示し内容を説明するという。「耐震診断を受けても改修費がどのくらいになるのか見当がつかず、なかなか改修に踏み切れないという消費者の声を反映させた」(県担当者)とする。08年度予算案では耐震診断に今年度比50%増の約2億円を計上している。
改修後評点1.0未満の改修にも補助 (安城市)
愛知県安城市は、一般的な改修補助事業の要件である改修後の診断評点「1.0以上」を満たさない簡易な耐震改修工事にも補助する新制度の創設を予算案に盛り込む。新しい制度では、改修前後の耐震診断で評点が0.1でも上がれば、評点が「1.0」に達しなくても補助を出す予定。これにより、比較的低コストでの工事が可能となる。経済的な負担を軽くすることで住民の改修意欲を促すねらいだ。所定の耐震診断後に簡易な工事をする場合は、30万円を上限に改修費用の半分を市が負担。現行の補助事業(補助額上限60万円)も並行して実施、住民の選択の幅を増やす。
補助事業メニューを拡充 (大阪市)
大阪市は、簡易改修などを対象に改修補助事業のメニューを拡充する。新設するのは「簡易型耐震改修補助」と「シェルター型耐震改修補助」の2つ。「簡易型」は、改修により住宅全体の評点が「0.7以上」となる改修工事に補助を出す。「シェルター型」は、寝室1部屋だけの補強や1階部分だけを「1.0以上」に引き上げる工事が対象。補助額の上限(補助率)は、現行の通常改修補助制度と同じ90万円(工事費の23%)を予定(07年度事業は補助額上限60万円、補助率15%)。あわせて「耐震改修支援機構(仮称)」を新設し、工事業者の紹介や工事への苦情の受け付けなども行う。こうした民間建築物の耐震改修促進にともなう事業に、08年度予算案では今年度比約1.6倍の8,100万円を計上している。













