大規模修繕のアフターフォロー! 長期修繕計画の見直しを

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マンションの長期修繕計画は、定期的に現状を踏まえた見直しや修正を行っていくことが求められます。ここでは特に、大規模修繕工事を終えたタイミングでの長期修繕計画の見直しについて解説します。

目次

長期修繕計画を見直すタイミング

長期修繕計画の見直しの時期は、一般的に次の3ケースがあります。1つ目は大規模修繕工事の直前のタイミングで、計画と現状を照らし合わせて修正を図るケース。2つ目は大規模修繕工事の直後に結果を踏まえて、今後の大規模修繕工事に対し見直しを行うケース。3つ目は、大規模修繕工事と大規模修繕工事の中間に再検討の期間を設けるケースです。

中でも大規模修繕工事の直後に行うケースは、実際に大規模修繕工事を実施したことによる詳細な現状把握ができている状態なので、現実に即した見直しができます。建物や設備の劣化及び修繕に関する最新データを参照できることに加え、工事項目に過不足がないか、管理組合の方針と実際の工事状況にズレが生じていないか、といった点についても確認ができるでしょう。

長期修繕計画の見直しの必要性

長期修繕計画の見直しはなぜ必要なのでしょうか?「長期修繕計画作成ガイドライン」(国土交通省)にも示されているとおり、長期修繕計画には次のような不確定事項が含まれています。すなわち、①建物及び設備の劣化の状況、②社会的環境及び生活様式の変化、③新たな材料、工法等の開発及びそれによる修繕周期、単価等の変動、④修繕積立金の運用益、借入金の金利、物価、消費税率等の変動です。

そもそも、長期修繕計画は25~30年の期間で立てるものです。予測と実態とのギャップが生じることは避けられないでしょう。また現実的な問題として、管理組合の人員構成が変われば引継ぎの必要性が出てきます。新築当初の居住者構成が変わるため、管理組合内で定期的な情報共有が必要となるためです。大規模修繕工事が終わった時点で、通常であれば10~12年後に行うことになる、次の大規模修繕工事に向けた構想を練っておくことが必要になります。

見直しをする際のポイント

ここでは特に、大規模修繕工事が終了した直後に、見直しを行う場合に注意すべきポイントを挙げてみましょう。

まず必須なのは、今回の大規模修繕工事の要点を記録しておくことです。施工箇所、未施行箇所、費用などはもちろん、反省点や課題なども管理組合の立場からまとめておきましょう。これらは、次回の大規模修繕工事への引き継ぎのために役立つ重要な資料となります。

次に今後、必要になると思われる修繕や改修箇所の洗い出しを行います。これらに併せて、修繕積立金の額の妥当性についても再検討しておきましょう。

また、長期修繕計画に含まれるものではありませんが、このタイミングで施工業者のアフター保証、工事保険・大規模修繕工事瑕疵保険などの補償内容が記載された資料を保管し、不具合・瑕疵・事故などの問題が発生したときに使えるようにしておくことも必要です。次年度以降、管理組合の理事が変わっても引き継ぎがスムーズに行えることを考えて準備をしましょう。

マンションの長期修繕計画の見直しは、今後の計画を実効性のあるものにするために必要なものです。特に大規模修繕工事が終わった後は、次回の大規模修繕工事を見据えた見直しを行いましょう。

参考文献:
国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」

※掲載内容は2017年2月時点の情報です。

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