大規模修繕工事の業務効率改善には「修繕管理システム『ラクゼンプラス』」

建設業界では深刻な人手不足が続き、大規模修繕工事の現場でも限られた人員で複数の現場を管理する等、負担が増しています。こうした中で求められるのは、“今いる人材で最大の成果を生み出す仕組み”です。本記事では、業務の効率化と品質管理を両立させる「修繕管理システム『ラクゼンプラス』」をご紹介、現場の課題を熟知した施工会社と共に開発された「ラクゼンプラス」が、業務改善にどのように役立つのか?その特徴とともに解説します。
1.建設業界に広がる深刻な人手不足
2025年6月、国土交通省は「令和7年版 国土交通白書」を公表しました。同書によれば、少子高齢化・人口減少によって、あらゆる産業で労働力の減少が懸念されている状況の中、とりわけ建設業界が厳しい状況に置かれていることがわかります。
例えば、2024年における就業者に占める55歳以上の割合は、全産業の平均が32.4%なのに対し、建設業は36.7%と上回る一方、29歳以下の割合は全産業が16.9%なのに対して、11.7%と高齢化が進んでいる状況です。今後も高齢就業者の大量退職や若年者の入職の減少が見込まれており、『中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題である。』とされています。
若年者の入職者数の減少の要因としては、長時間労働をはじめとした厳しい労働環境があげられています。2023年度の建設業の年間の平均労働時間は、2,018時間で、これは他産業平均より60時間以上も長いという結果です。平均的な休日の取得状況についても、2023年度の調査結果では「4週8休(週休2日)以上」の確保ができていない場合が多いことがわかります。このような状況を踏まえ、今後必要とされる技能や厳しい労働環境に見合った賃金水準の整備への取組みも求められています。
さらに建設業は、他産業と比較して、労働生産性もまだ低い水準にあるとされています。これから人手確保を巡る競争が激しさを増すにつれ、各企業は現有の人材を最大限に活用して業務の効率化を図ることがこれまで以上に重要になっています。
2.大規模修繕工事の厳しい実態
住宅あんしん保証は、取り扱っている商品の1つである「あんしん大規模修繕工事瑕疵保険(以下「大規模修繕かし保険」)を通じて、これまで数多くの施工会社の方達に向き合ってきました。前章でも触れましたが、近年は建設業界での人手不足が深刻化しており、施工会社の方からは、大規模修繕かし保険に関する相談だけにとどまらず、業務の効率化に関する相談も寄せられるようになってきていました。
大規模修繕工事は同じ住宅を扱うものの、新築工事とは大きく異なります。まず「人が住んだ状態のまま」工事が進行します。全ての住民から工事に対する理解を十分に得ることは難しく、トラブルは日常茶飯事です。住民との打ち合わせを土日に実施することもあり、休みが取りにくい状態が慢性化している実態があります。
さらに、「新築時に他の工事会社が施工した建物」が工事の対象になりますから、状態は千差万別です。言い換えれば、限られた予算と時間の中、現場ごとの状況に応じて柔軟に対応を変えていく必要があります。抱えている現場が複数になれば、その状況を適切に把握することは非常に困難です。
このような特徴を踏まえ、住宅あんしん保証では施工会社が抱えている悩みや課題に対し、「(単なる)保険会社」という枠を超えて、具体的なソリューションを提案できる存在でありたいという想いから、2025年4月より株式会社ラクゼンプラスと提携し、同社が開発した「修繕管理システム『ラクゼンプラス』」の販売を開始しています。
3.修繕管理システム「ラクゼンプラス」とは?
現在、建設業界では人手不足等を背景に、業務の効率化を図り、より生産性を向上させるべく、さまざまなDX支援ツールが登場しています。その中でも、住宅あんしん保証が施工業者の皆様に「修繕管理システム『ラクゼンプラス(以下「ラクゼンプラス」)』」をおすすめするのには理由があります。
3-1.住宅あんしん保証が「ラクゼンプラス」をおすすめする理由
それはシンプルに「大規模修繕工事に特化している」からです。「ラクゼンプラス」は、大規模修繕工事“ならでは”の業務について、実際に大規模修繕工事を請け負う複数の施工会社による助言を基にして開発されています。住宅を巡る工事には新築工事やリフォーム工事など種類がありますが、あくまでも大規模修繕工事に特化することで無駄を省き、より大規模修繕工事の現場の負担を削減することに重点を置いた便利な機能が実装されていることが最大のポイントです。
3-2.「ラクゼンプラス」の主な機能
「ラクゼンプラス」には、主に営業の方向けと現場の方向けの機能があり、ここではその具体的な機能をご紹介します。なお、一部の機能は動画でもご覧いただけます。(いずれもYouTubeの再生画面に遷移します。)
3-2-1.積算・見積【営業の方向け】(※1)
工事図面をパソコン上に取り込み、その上から専用ツールによって直接積算をすることができます。CADツールとは異なり、数量も連動して計算されるので見積作成までの所要時間を短縮できます。見積は「自社標準単価」を事前に設定することができ、担当者によって基準がバラバラといったこともなくなります。
基準が統一されていることで、経験の浅い営業担当者や事務員の方でも積算・見積業務を可能にし、作業効率がアップします。結果として、見積提出の件数増加にも繋がります。
3-2-2.安全書類【現場の方向け】
厳しいスケジュールの中、複数の現場を同時に抱える現場代理人にとって、安全書類の管理は着工前から始まります。協力会社から、予め書類を漏れなく取り付け、工事期間も常に最新の情報を保たなければならない等、負担の大きな業務です。
「ラクゼンプラス」では、会社情報や社員情報は、管理画面のメンテナンスで一元管理します。請負った工事毎にボタンを押せば、安全書類が自動生成されてExcelで出力できます。
3-2-3.補修図面作成【現場の方向け】(※1)
現場で書いた図面の清書も非常に手間のかかる業務です。「ラクゼンプラス」では、手書きの図面をパソコン上に取り込み、画面上で清書用の下地補修図を作成し、数量を簡単に拾うことができます。適切な図面を残すことは施工完了後のトラブル防止に欠かせません。
3-2-4.工程管理【現場の方向け】
管理者は「ラクゼンプラス」上で現場毎の工程表を作成して、管理ができます。アプリからは現場毎の情報をタップすることで、作業工程や現場までの経路等も確認できます。作業完了の入力も手元で行うことができ、関係者は工事の進捗をリアルタイムで共有、把握できます。
3-2-5.工事写真【現場の方向け】
現場によっては、数千枚にも上る写真。それらを引渡し時に整理し、書類としてまとめる作業は、時にひと月以上を要するような膨大な作業です。その過程で、写真の撮り忘れが判明することも珍しいことではありません。「ラクゼンプラス」では施工写真を、積算見積管理や施工管理と連動させて管理できます。
一括撮影計画
管理者がいつ、どのタイミングで何枚の写真が必要かを「ラクゼンプラス」上で事前に計画をすると、撮影指示が自動で各現場の担当者に振り分けされます。担当者は、アプリからカメラを起動することで必要な写真をすぐに撮影できます。
透かし撮影
アプリを利用して撮影する場合に、前工程で撮影した写真が画面の中に表示されます。それに重ねるように最新の状態を撮影することで、誰が撮影しても同じアングルでの撮影が可能になります。「ラクゼンプラス」の開発元である株式会社ラクゼンプラスでは、この機能で特許を取得しています。
工事看板も自動生成され、その配置も写真の上下左右に、あるいは自動生成せずに従来通りに工事看板の現物を入れて撮影など、柔軟に変更できます。
3-2-6.台帳作成【現場の方向け】(※1)
撮影した写真はファイルサイズが大きくなりますが、「ラクゼンプラス」は自動的にサイズを圧縮してくれます。台帳に貼り付ける時にリサイズが不要で、Excelの写真台帳への出力もボタンを押すだけです。また、「検査モード」で撮影した写真は検査台帳Excelとして出力ができます。
※1 ご利用には、オプション機能の申込みが必要になります。
4.「ラクゼンプラス」の料金プランと期待できる効果
導入にあたって気になるのはやはり費用です。ここでは、「ラクゼンプラス」の導入によって期待できる効果とあわせてご紹介します。
4-1.柔軟な料金プラン設計
「ラクゼンプラス」の導入にかかる初期費用は30万円(税別)です。加えて、月額費用は発行するID数に応じ、管理者ID・1名分あたりにかかる費用は5,000円(税別)です。(詳しくは【表】参照)なお、アカウントは、最短で翌営業日に発行が可能です。

積算見積管理や下地図面管理といったオプション機能をすべて含めると月額費用は、管理者ID・1名の場合、5,000円+積算見積管理30,000円+写真管理・出力2,000円+下地図面管理3,000円=40,000円(税別)となります。これで複数の現場を管理できることに加え、大規模修繕工事に特化した機能を網羅しているので、各業務単位で導入している他ツールがある場合には、その月額費用や手続の煩雑さを集約できるかもしれません。
しかし、どうしても現在導入している仕組みやツールを変えられないという事情もあるかもしれません。「ラクゼンプラス」はご相談に応じて、備えている機能の中から一部の機能だけを利用することも可能になっています。例えば、図面作成は既に導入している他のツールを使用し続けたいといった場合には、利用機能を絞るといったことにも柔軟に対応しています。さらに、導入前には無料トライアル期間を設けており、実際の使用感を確かめることができるので、「本当に現場で活用できそうか?」といった心配を払しょくした上で導入を決めることができます。最低契約期間は1ヶ月で、小さく始めることができるのも魅力です。
4-2.「ラクゼンプラス」導入のメリット
【図】は、「ラクゼンプラス」を導入した企業の導入前と導入後の業務時間の比較(※3)です。これによれば、導入によって幅広い業務で時間が削減できたことがわかります。前述のように、作業効率がアップすることで見積提出の件数増加が期待できる一方、業務時間の削減は残業代の削減にも直結しますから、経営者にとっては人件費の節約も期待できます。従業員にとっては、休息時間の十分な確保やストレスの削減にも繋がるでしょう。

さらに、すべての情報を「ラクゼンプラス」にまとめておくことで、実際に現場に立つ現場管理者や施工管理者だけではなく、その方達を管理する立場の人にとっても日々の状況把握がしやすくなるでしょう。また、情報が蓄積されていくことにより、それらを積算の教材として、あるいは将来、同じ物件の工事を実施する場合に参考にできる等、新入社員をはじめとした人材育成のための教材としても活用できるようになります。
5.まとめ
どんなに優れたDX支援ツールでも、現場に追われる日々の中では「便利そうなのはわかるけど機能がありすぎて、結局は使いこなせないのでは?費用もかかるし…」「習得に時間がかかるから、結局は以前のやり方のほうが早いよ」と、新たな変化を受け入れることは経済的にも、心理的にもハードルが高く感じられるかもしれません。
しかし、従来のやり方に固執したままでは、優秀な人材はよりよい環境を求めて、会社を去ることになるでしょう。また、改善が見込めない環境に若手や優れた人材は集まりません。社員一人一人が心にゆとりをもって業務に向き合い、さまざまな現場を知る社員の経験が後進にしっかりと引き継がれるような環境を整えることは、会社の未来を描くことに他なりません。
住宅あんしん保証がおすすめする「ラクゼンプラス」は、開発元である株式会社ラクゼンプラスと協力し、具体的なイメージを持ってもらいやすいように、各社が実際に抱える現場をモデルケースにした説明等も行っています。資料のご請求や詳細な機能説明のご希望など、少しでも興味をお持ちいただいた場合には是非、下記の専用フォームよりお気軽にお問い合わせください。












