これで万全! マンションの管理組合が取り組むべき防災対策

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防災については、居住者1人ひとりが日頃から意識しておくことが大切です。また、居住者だけでなく、マンションの管理組合にも、居住者を守るために万全の備えをしておくという役割が課せられています。管理組合が取り組むべき防災対策にはどのようなものがあるのか、その必須ポイントについて解説します。

目次

防災マニュアルの作成

災害が発生したとき、どう行動するかを事前に決めておくことはきわめて重要です。防災マニュアルは居住者がどのように行動するかを、昼間の場合、夜間就寝中の場合の2パターン作ることが基本です。さらに、管理組合の役員としてどのような行動をとるのかをマニュアルとして作成し、準備しておきましょう。

役員の行動は、震度5以上の地震のケースを想定すると、次のようなものになるでしょう。

  1. 役員はそれぞれが担当する階数の被害状況、安否を確認
  2. 前もって決めておいた安全性の高い場所に集合し本部を設置
  3. 役員同士で状況を報告し合って対策を検討
  4. 援助・救助が必要な場合には人手を集めて作業をする
  5. 地震の情報を収集して居住者がマンション内に留まるか、広域避難場所や高台などに避難すべきかどうかを判断
  6. 以上を居住者にアナウンスする

避難訓練の実施

マニュアルを用意するだけなのと、避難訓練などで実際にシミュレーションをしてみることは、大きな違いがあります。避難訓練を実施してみることで、想定していなかった問題(避難路に障害物がある、館内放送が小さくて聞こえづらいなど)に気付くことがあります。できれば地震の場合、火災の場合などシチュエーション別で、詳細なフローを作った上で避難訓練を行いましょう。

緊急用居住者名簿の作成

マニュアルを用意するだけなのと、避難訓練などで実際にシミュレーションをしてみることは、大きな違いがあります。避難訓練を実施してみることで、想定していなかった問題(避難路に障害物がある、館内放送が小さくて聞こえづらいなど)に気付くことがあります。できれば地震の場合、火災の場合などシチュエーション別で、詳細なフローを作った上で避難訓練を行いましょう。

防災用具・備蓄品の準備

防災用具と備蓄品は管理組合として何が必要かを考えて用意します。そろえるものは立地、建物の規模、高層かどうかという高さ、構造、保管スペースの有無などによって異なります。一般的には次のものが考えられます。

防火管理者の設置

防火管理者とは、一定以上の収容人員を持つ建物などの火災による被害を防ぐために、消防や防火管理上の必要な業務を遂行する責任者のことです。誰でもなれるわけではなく、各市町村消防機関等が実施する防火管理者資格講習の課程を修了するなど、一定の資格を有していることが条件です。

マンションでは、収容人員数50名以上の場合、もしくは店舗などがあって不特定多数の人の出入りがある場合は30名以上の場合に、この防火管理者の選任が義務づけられています。選任は通常、管理組合の理事長が行います。

防火管理者が行う業務は、消防計画の作成、消火・通報・避難訓練の実施、消防用水や消防活動に使用する設備・施設の点検及び整備、火気の使用や取り扱いに関する監督、避難経路・防火上必要な構造・設備の維持管理などがあります。

多数の人が同じ建物の中で生活を共にするマンションでは、防災は常に上位に位置する課題です。マンションの管理組合として、地震、火災以外にも、台風、洪水などさまざまな災害に対する備えを徹底することを心がけましょう。

参考文献:
公益財団法人マンション管理センター「マンション管理組合のための震災対策チェックリスト」
一般社団法人マンション管理業協会「共同住宅における統括防火管理の届出について」

※掲載内容は2017年5月時点の情報です。

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