住宅ローン減税を受けるには?借入限度額と控除期間による違いを解説―中古住宅の取得編―

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住宅ローン減税を受けるには?借入限度額と控除期間による違いを解説―中古住宅の取得編―

 2022年度税制改正により住宅ローン減税の適用期限が4年間延長され、その内容が変更され、2022年入居からこの変更後のルールが適用されることとなります(※1)。その後、2024年度税制改正により、このうち2024年入居からの一部制度が改正されることが発表されています。変更後の制度の概要については、2023年12月14日付「住宅ローン減税の行方~2024年度税制改正大綱の公表~」にてご紹介していますが、今回は、中古(既存)住宅を取得した場合の住宅ローン減税の適用における「借入限度額(住宅ローン減税の控除額を算出する際の借入残高の上限額)」と「控除期間(住宅ローン減税の適用を受けることができる年数)」の違いおよび具体的な手続・書類をご案内します。住宅取得の翌年3月15日までに行う所得税の確定申告の前に確認しておきましょう。(2年目からは年末調整で手続を済ませることができますが、入居後の初回の所得税の確定申告は必ず必要です。)(対象住宅の床面積(登記される面積)は、50㎡以上が中古住宅取得における住宅ローン減税の適用要件です。)
 なお、「住宅ローン減税」を受けるための条件や事前の準備等については「新築住宅・中古住宅の取得で「住宅ローン減税」を受けるには?―条件&事前準備編―」にて詳細にご案内していますので、併せてご覧ください。

(※1)2020年12月1日から2021年11月30日までに売買契約が締結された中古住宅の取得(対象住宅に係る適用消費税率10%が対象/個人(一般消費者)から購入した中古住宅はこれに該当しません。)については、2022年中の入居であれば2022年度税制改正前の旧制度が適用されます。

1.住宅ローン減税でいくら控除されるか(2022年~2025年入居・既存住宅)

 住宅ローン減税(中古(既存)住宅取得)は、住宅ローンの年末残高(所定の借入限度額を上限)控除率0.7%を乗じた額について、所得税(住民税)から税額控除される仕組みです。以下により算出した額を上限として、控除期間にわたって毎年税額控除されます。

税額控除額=年末時点の借入残高(借入限度額を上限)×控除率0.7%

 中古住宅の取得の場合、借入限度額は2,000万円とされ、控除期間は10年間です。よって、最大、年間14万円(=2,000万円×0.7%)、10年間で140万円までの控除を受けることができます。

 なお、取得した住宅が「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」のいずれかに該当する場合は、この借入限度額が3,000万円に引き上げられ、住宅ローンの年末残高が高い場合はより有利に税額控除を受けられることとなっています(10年間で最大210万円)。

(注)住宅ローン減税を受けるには、取得対象の既存住宅が、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されたものである必要があります(登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以後)。これにあたらない場合は、耐震基準適合証明書等の耐震に係る証明書類を提出しなければなりません。

2.リノベ物件なら住宅ローン減税の控除額が増える?!

 取得した既存住宅が「買取再販住宅」に該当する場合は、借入限度額・控除期間がともに引上げられる場合があります。「買取再販住宅」とは、宅地建物取引業者が、買取り後にリフォームを行って販売した住宅(いわゆるリノベーション物件)(※2)をいいます。売主が「宅地建物取引業者」の場合であり、その他の個人(一般消費者)・法人から取得した場合はこれにはあたりません。その他要件が諸々ありますが、必要な要件を証明する「増改築等工事証明書」(住宅ローン減税用の様式による証明書)の交付を受けることで確認できます。よって、「買取再販住宅」として住宅ローン減税の適用を受けるには、売主が宅建業者であって、「増改築等工事証明書」を提出できるものでなければならないということです。

 では買取再販住宅に該当する場合、住宅ローン減税でいくらの控除が受けられるか、何年間にわたって控除を受けられるかを確認していきましょう。
 2022年・2023年入居であれば、借入限度額が上記1の場合に比して1,000万円上乗せされて3,000万円となり、さらに控除期間が3年間伸長され13年間控除を受けられます。住宅ローンの年末残高によっては借入限度額の引上げにより控除額が増え、さらに控除期間が3年間伸長されることでさらに控除額が増えることとなります。なお、2024年以降入居の場合、買取再販住宅であっても省エネ基準に満たない住宅の場合は、上記1.のとおりの条件が適用されるため、借入限度額の引上げや控除期間の伸長は適用されません。(下表のとおりです。下表は省エネ基準に満たない(=「その他の住宅」区分)場合の買取再販住宅の条件を記載しています。)

「その他の住宅」の場合 2022年入居 2023年入居 2024年入居 2025年入居
借入限度額 3,000万円 2,000万円(=通常通り)
控除期間 13年間 10年間(=通常通り)

 これに対し、対象の買取再販住宅が、さらに「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」のいずれかに該当する場合(法令に基づく認定を受けた住宅か、高い省エネ水準を有する住宅)は、下表のとおりさらに借入限度額が引上げられます。また、この場合の控除期間は、下表のいずれの場合も13年間となります(下表に示す2022年~2025年入居のいずれでも控除期間は13年間です。上表はこれらの住宅の環境性能等区分にあたらない「その他の住宅」の場合を示しており、2022~2023年入居と2024~2025年入居とで控除期間の条件が異なりますが、下表の区分に該当する場合は上表とは異なります。)リノベーション物件のうち、特に省エネ改修工事等により所定の省エネ水準であることが確認された物件等の取得の場合、住宅ローン減税をよりお得に適用できるようになっています(新築住宅の取得の場合と同様の減税額が適用されます)

 借入限度額 2022年~2023年入居 2024年入居 2025年入居
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円 4,500万円
5,000万円
(子育て等世帯(※3)
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円 3,500万円
4,500万円
(子育て等世帯(※3)
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円 3,000万円
4,000万円
(子育て等世帯(※3)

 なお、2024年入居の場合、「子育て等世帯(「19歳未満の子を有する世帯」(子育て世帯)または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」(若者夫婦世帯))(※3)かどうかにより、借入限度額が異なります。子育て等世帯は借入限度額が引上げられます。


(※2)ここにいう「買取再販住宅」は、全ての買取再販物件が該当するわけではなく、「買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置」の対象となる買取再販物件のみが該当します。具体的には、新築後10年以上経過している、宅地建物取引業者が当該住宅を取得してからリフォーム工事を行って再販売するまでの期間が2年以内であること、リフォーム工事費が建物価格の20%又は300万円の小さい方以上である、等の要件を満たす必要があります。
(※3)ここにいう「子育て等世帯」は、①年齢19歳未満の扶養親族を有する者(子育て世帯)、②年齢40歳未満であって配偶者を有する者、または年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者(若者夫婦世帯)をいいます。なお、①または②に該当するか否かについては、入居年の12月31日時点(扶養親族または配偶者が、年の中途において亡くなられた場合にはその死亡の時)の現況により判定することとされています(2024年4月追記)。もともと、2024年入居の場合、2022年~2023年入居の場合に比して借入限度額が引下げられることとなっていましたが、2024年度税制改正により、「子育て等世帯」を対象として借入限度額が維持されるよう改正されます。(なお、2025年入居の条件は改正されませんが、2025年度税制改正にて2024年入居と同様の方向性で検討する旨、発表されています。)

3.中古(既存)住宅取得における住宅ローン減税の必要書類等の確認

 ここまで中古(既存)住宅取得における住宅ローン減税の「借入限度額」「控除期間」について解説しました。ここでは、以上において説明した各区分の適用等にあたって必要な書類等を確認したいと思います。いずれも、住宅取得の翌年3月15日までに行う所得税の確定申告において提出が必要な書類です。(住宅ローン減税を受けるのに一般的に必要となる書類についてはここでは説明を省略します。)

①1981年(昭和56年)12月31日以前に建築された既存住宅を取得した場合

耐震基準適合証明書等の耐震に係る証明書類が必要です。

②買取再販住宅(上記2)に該当する場合

必要な要件を証明する「増改築等工事証明書」(住宅ローン減税用の様式による証明書)が必要です。

増改築等工事証明書

③長期優良住宅・低炭素住宅に該当する場合

 都道府県または市区町村等が交付する「認定通知書」(長期優良住宅建築等計画の認定通知書または低炭素建築物新築等計画の認定通知書)の写し、および建築士等が発行した認定長期優良住宅建築証明書または認定低炭素住宅建築証明書が必要です。また、長期優良住宅の場合は、都道府県または市区町村等が交付する「承継通知書」の写しも必要となります。

④ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅に該当する場合

 ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅は、いずれも③のような認定を受けていない住宅のうち、住宅の省エネ性能の基準(日本住宅性能表示基準)に照らした水準に応じて、「その他の住宅」よりも借入限度額が高く設定されているものです。これらへの該当を示すものとして、「住宅省エネルギー性能証明書」を提出する必要があります。(住宅省エネルギー性能証明書に代えて、これらへの該当を示す建設住宅性能評価書の写しも、この手続に利用できます。)

住宅省エネルギー性能証明書


 2022年度税制改正後の住宅ローン減税(中古(既存)住宅取得)の「借入限度額」「控除期間」の適用と具体的な手続・書類をご案内しました。住宅取得の翌年3月15日までに行う所得税の確定申告の前に書類等をぜひ確認しておきましょう。
 また、中古住宅の買取再販に取組まれている事業者は、まずはリノベ工事実施と「増改築等工事証明書」の取得で「買取再販住宅」として販売されることに加え、今後を見据えて、性能向上リノベーションに取り組み、住宅ローン減税の区分の違いをお客様に示し性能を見える化することにより、高い性能を有する中古住宅の供給を検討されてはいかがでしょうか。特に、省エネリフォームには、「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などの補助事業が実施されており、これらを活用しながら積極的にご検討ください。

増改築等工事証明書はこちら ~買取再販における、住宅仕入れ時に課される不動産取得税の軽減措置にも活用できます

国土交通省の公表資料はこちら


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