住宅省エネ化への支援策として、新たな補助制度「子育てエコホーム支援事業」が創設されました。

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住宅省エネ化への支援策として、新たな補助制度「子育てエコホーム支援事業」が創設されました。

・2023年11月29日に、2023年度補正予算は成立しました。
・本記事は、2024年1月22日時点の情報に基づきます。
・各補助事業の情報が更新された場合、本記事も更新する可能性がございます。
 申請等にあたっては、必ず最新の情報(住宅省エネ2024キャンペーンのホームページ)をご確認ください。

1.新たな経済対策を閣議決定

 2023年11月2日、政府は新たな経済対策「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定しました。その中では、経済再生に向けた具体的施策として、更なる省エネの促進や再エネの導入など、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を加速し、化石燃料への海外依存を引き下げ、エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化することが掲げられており、家庭に対しては、子育て世帯や若者夫婦世帯の省エネ住宅の取得の支援を行うとともに、省エネ改修、断熱窓への改修、高効率の給湯器の導入支援等をワンストップの窓口を設置して進めるとしています。

2.国土交通省の補正予算

 これを受けて、国土交通省の2023年度補正予算案に、質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援として「子育てエコホーム支援事業」2,100億円が盛り込まれました。
 2022年度補正予算1,500億円で始まった「こどもエコすまい支援事業」は、2023年度当初予算の既定経費の活用により209億3,500万円を増額し、予算総額を1,709億3,500万円まで拡大しました。しかし、2023年9月28日には予算上限に達し、受付を終了しています。今回、同様の支援策に対して、それを上回る大規模な予算が組まれたことになります(さらに2024年度予算として、400億円が計上されました)。
 その他、「こどもまんなかまちづくり」を推進するため、こどもの人数等に応じて【フラット35】の金利を引き下げる予算(※)も計上されています。

※子育て世帯を応援する【フラット35】子育てプラス~2023年度補正予算における制度拡充~
【フラット35】子育てプラスを新設し、子育て世帯または若年夫婦世帯に対して全国一律で子どもの人数等に応じて一定期間借入金利を引き下げます。2024年2月13日以降の資金受取分から適用されます。

3.3省が連携する補助事業

 さらに、国土交通省による「子育てエコホーム支援事業」に加え、環境省による断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業「先進的窓リノベ2024事業」、経済産業省による高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金「給湯省エネ2024事業」、同省で新たに始まる既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業「賃貸集合給湯省エネ2024事業」という各省が取組む省エネリフォーム等の補助事業は3省が連携し、「住宅省エネ2024キャンペーン」という総称のもと、ワンストップで利用可能とします。

4.各補助事業の概要~省エネリフォーム等

 住宅の省エネリフォーム等に係る各補助事業の概要は【表1】のとおりです。運用は、現在運用されている事業と概ね同様のスキームが検討されています。

4-1.高断熱窓の設置<先進的窓リノベ2024事業(1,350億円)>

 一定の基準を満たす高断熱窓への断熱改修工事を支援します。
 工事内容に応じて定額を交付し、上限200万/戸です。

4-2.高効率給湯器の設置<給湯省エネ2024事業(580億円)>

 一定の基準を満たした高効率給湯器を導入に対して支援し、機器、性能ごとに定額を交付します。
 導入とあわせて、蓄熱暖房機または電気温水器を撤去する場合、加算補助があります。
 主な補助額は、ヒートポンプ給湯器10万円/台、ハイブリッド給湯機13万円/台、家庭用燃料電池20万円/台です。

4-3.既存賃貸集合住宅におけるエコジョーズ等取換<賃貸集合給湯省エネ2024事業(185億円)>

 設置スペース等の都合で、ヒートポンプ給湯機等の導入が困難な既存賃貸集合住宅において、一定の基準を満たした小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ等)に取り替える場合に支援します。
 補助額は機能に応じて5万円/台または7万円/台です。

4-4.開口部、躯体等の省エネ改修工事<子育てエコホーム支援事業>

 住宅の開口部、壁等に対する一定の断熱改修やエコ住宅設備の設置等を支援します。工事内容に応じて定額を交付します。
 子育て世帯や若者夫婦世帯の場合で、既存住宅の購入を伴う場合は上限60万円/戸です。

【表1】住宅の省エネリフォームを支援する補助事業の対象や補助額の概要

工事内容 補助対象 補助額
①省エネ改修 先進的窓リノベ2024事業
1)高断熱窓の設置
高性能の断熱窓
(熱貫流率(Uw値)1.9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすもの)
リフォーム工事内容に応じて定める額
(補助率1/2相当等)上限200万円/戸
2)給湯器 給湯省エネ2024事業
高効率給湯器の設置
高効率給湯器
((a)ヒートポンプ給湯機、(b)ハイブリッド給湯機、(c)家庭用燃料電池)
定額(下記は主な補助額)
(a)10万円/台、(b)13万/台、(c)20万円/台
賃貸集合給湯省エネ2024事業
既存賃貸集合住宅におけるエコジョーズ等取替
エコジョーズ/エコフィール*
*従来型給湯器からの取替に限る
*補助対象は賃貸集合住宅に設置する場合に限る
追焚機能無し:5万円/台
追焚機能有り:7万円/台
子育てエコホーム支援事業
3)開口部・躯体等の省エネ改修工事
開口部・躯体等の一定の断熱改修、エコ住宅設備(節湯水栓、高断熱浴槽等)の設置 リフォーム工事内容に応じて定める額
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円/戸
・その他の世帯:上限20万円/戸

※長期優良リフォームを行う場合は、
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸
・その他の世帯:上限30万円/戸

※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は、上限60万円/戸
子育てエコホーム支援事業
②その他のリフォーム工事
(①1)~3)のいずれかの工事を行った場合に限る)
住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等

5.子育てエコホーム支援事業~新築・リフォーム

 ここでは、国土交通省が実施する、質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援「子育てエコホーム支援事業」について、掘り下げます。
 補助対象事業のタイプは「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「リフォーム」の3つで、いずれも経済対策閣議決定日(2023年11月2日)以降に、新築は基礎工事より後の工程の工事に着手したもの、リフォームは工事に着手したものが対象です。(【表2】参照)

【表2】子育てエコホーム支援事業

子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築 住宅のリフォーム*1
対象住宅 補助額 対象工事 補助額
➀長期優良住宅
➁ZEH住宅
(強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量▲20%に適合するもの)

・対象となる住宅の延べ面積は、50㎡以上240㎡以下とする。

・土砂災害特別警戒区域又は災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域又は地すべり防止区域と重複する区域に限る)に立地している住宅は原則除外とする。

・「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、3戸以上の開発又は1戸若しくは2戸で規模1000㎡超の開発によるもので、都市再生特別措置法に基づき立地を適正なものとするために行われた市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅は原則除外とする。
①100万円/戸
➁80万円/戸
ただし、以下の(i)かつ(ii)に該当する区域に立地している住宅は原則半額
(i) 市街化調整区域
(ii) 土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る)
➀住宅の省エネ改修 リフォーム工事内容に応じて定める額※
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円/戸
・その他の世帯:上限20万円/戸

※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は、上限60万円/戸

※長期優良リフォームを行う場合は、
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸
・その他の世帯:上限30万円/戸
② 住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等
(①の工事を行った場合に限る。)*2

*1:「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」(環境省)、「高効率給湯器の導入を促進する家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」(経済産業省)及び「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」(経済産業省)(*2において「3省連携事業」という。)とのワンストップ対応を実施。
*2:3省連携事業により住宅の省エネ改修を行う場合は、①の工事を行ったものとして➁の工事のみでも補助対象とする。

5-1.新築

 子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得を支援。長期優良住宅は100万円/戸、ZEH住宅は80万円/戸を交付します。
 長期優良住宅またはZEH住宅であること以外にも、延床面積が50㎡以上240㎡以下であることや原則、土砂災害特別警戒区域または災害危険区域に立地していない等の要件を満たさなければなりません。また、交付申請時には工事が一定以上の出来高に達していることも必要です。

5-2.リフォーム

 ①開口部の断熱改修 ②外壁、屋根・天井または床の断熱改修 ③エコ住宅設備の設置 ④子育て対応改修 ⑤防災性向上改修 ⑥バリアフリー改修 ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入が補助の対象です。ただし、①~③のいずれかに該当する工事を含んでいることが必要です。
 「こどもエコすまい支援事業」の後継事業とされていますが、工事内容ごとの補助額はそれと比較して、その多くが拡大しています。
 【表3】は「開口部の断熱改修」において、開口部の大きさおよび改修方法に応じて定める補助額です。(下表の額に、施工箇所数を乗じて算出します。)表中の()内は「こどもエコすまい支援事業」の時の補助額です。
 新しい顧客に提案する時だけではなく、「こどもエコすまい支援事業」の実施期間中にスケジュールや費用の面で折り合いがつかなかった顧客への提案としても後押しにつながりそうです。

【表3】開口部の断熱改修―大きさおよび改修方法に応じて定める補助額

分類 大きさの区分 ガラス交換※1 内窓設置※2・外窓交換 ドア交換
面積※3 1枚あたりの補助額 面積※4 1箇所あたりの補助額 面積※4 1箇所あたりの補助額
省エネ基準レベル 1.4㎡以上 11,000円
(9,000円)
2.8㎡以上 25,000円
(23,000円)
開戸:1.8㎡以上
引戸:3.0㎡以上
37,000円
(34,000円)
0.8㎡以上
1.4㎡未満
8,000円
(6,000円)
1.6㎡以上
2.8㎡未満
20,000円
(18,000円)
0.1㎡以上
0.8㎡未満
3,000円
(―)
0.2㎡以上
1.6㎡未満
17,000円
(15,000円)
開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満
引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満
32,000円
(30,000円)
ZEHレベル 1.4㎡以上 14,000円
(12,000円)
2.8㎡以上 34,000円
(31,000円)
開戸:1.8㎡以上
引戸:3.0㎡以上
49,000円
(45,000円)
0.8㎡以上
1.4㎡未満
10,000円
(9,000円)
1.6㎡以上
2.8㎡未満
27,000円
(24,000円)
0.1㎡以上
0.8㎡未満
4,000円
(3,000円)
0.2㎡以上
1.6㎡未満
22,000円
(20,000円)
開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満
引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満
43,000円
(40,000円)

※1:ガラス交換は、箇所数ではなく、交換するガラスの枚数を乗じて算出。ドアに付くガラスのみ交換の改修は対象外とする。
※2:内窓交換を含む。
※3:ガラスの寸法とする。
※4:内窓若しくは外窓のサッシ枠又は開戸若しくは引戸の戸枠の枠外寸法とする。

5-3.事業者登録等の手続と各種スケジュール

 新築住宅の建築事業者または販売事業者、リフォーム工事の施工業者(以下「住宅事業者」)が「補助事業者」として、補助金の申請および交付を受けます。ただし、交付された補助金は住宅取得者やリフォーム工事の発注者に還元されなければなりません。
 また、住宅事業者は交付申請、交付申請の予約までには所定の手続を行い、「事業者登録」をしておく必要があります。事業者登録の受付は2024年1月17日から始まりました
 キャンペーンの手続はすべてWEBシステム(住宅省エネポータル)で行い、その利用には、「統括アカウント」と「担当者アカウント」の取得が必要です。担当者アカウントの登録は3月中下旬に開始される予定です。(住宅省エネ支援事業者登録用 アカウント発行依頼と「住宅省エネ2023キャンペーン」から継続して参加する場合の注意点はこちら
 「住宅省エネ2024キャンペーン」の登録後に、事業に参加を申告することで 「エコホーム支援事業者」として登録されます。 
 交付申請の受付は2024年3月中下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)で、新築は戸建住宅・共同住宅ごとの期限までに住宅の引渡しと入居をし、完了報告を提出しなければなりません。

6.最後に

 「住宅省エネ2024キャンペーン」のホームページの開設に続き、事業者登録の受付も始まりました。スムーズな申請につなげるため、まずは事業者登録を早めに完了しておきましょう。

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