マンション大規模修繕工事で必要な7つの工事項目

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マンション大規模修繕工事で必要な7つの工事項目

大規模修繕工事では、どのような工事を行うものなのかご存知でしょうか? 作業を行うために必要な工事、建物の保全のための工事、建物内外の部位や設備などの工事と、その内容はさまざまです。ここでは代表的な7つの工事項目を取り上げ、それぞれの概要について解説します。

1.仮設工事

仮設工事には、主に共通仮設工事と直接仮設工事があります。
共通仮設工事は現場の工事事務所、作業員詰所、資材置き場、仮設倉庫、仮設トイレなどを設置するものです。仮設電気や水道、事務所内のFAX、インターネット環境なども含みます。
直接仮設工事は、建物の外周に架ける足場の設置がメインになります。足場のほかには飛散防止のメッシュシート、落下を防ぐ防護柵、侵入防止用フェンス、そのほか各種養生などを設置します。

2.下地補修工事

天井や壁、床など建物の各部位を目視や打診により調査し、調査結果に従って補修を行います。劣化の例としてはひび割れ、欠損、爆裂などが挙げられます。

たとえば、ひび割れであれば、大きさ、発生箇所、発生要因によってポリマーセメントペーストを擦り込んだり、エポキシ樹脂を注入したりします。

3.塗装工事

塗装工事には、主に外壁塗装工事と鉄部塗装工事があります。
外壁塗装工事は、はじめて行う大規模修繕工事では、まだ既存の塗膜がそのまま使用できることが多く、さほどひっ迫して必要というわけではないケースが多いです。しかし、数回目の大規模修繕工事では外壁塗装が必要になってきます。作業は劣化した塗膜の除去、ケレン(サビ落とし)、各種塗料や塗材の塗布、仕上処理といった順で行います。

鉄部塗装工事は、玄関扉と枠、エレベーター扉と枠、手すり、メーターボックスといった鉄製の部位やパーツを塗り直す工事です。鉄部塗装の下地処理では、錆や塗膜の剥がれや傷をワイヤーブラシやサンドペーパーを使って除去します。その後に下塗り、中塗り、上塗りを行うのが基本です。

4.シーリング工事

シーリング工事は、外壁の目地をシーリング材で埋めていく工事です。足場の設置を必要とする部位が多いので、大規模修繕工事では通常、全面的に打ち替えることになります。

シーリングは防水性を高めて雨漏りを防ぐことのほか、伸縮性を持たせることで耐震性をアップさせることにも役立ちます。外壁以外ではサッシ枠周囲、手すりの支柱脚周りなどにもシーリング材が充填されています。

5.防水工事

防水工事は屋上をはじめ、バルコニー、外部に開放された廊下、外階段などに対して行います。屋上の防水方式にはアスファルト防水、シート防水、塗膜防水などがあります。改修は、不具合部を補修しつつ、すでにある防水層の上に新しく防水層を施工する方法、あるいは、すでにある防水層を全面撤去して新しく防水層を施工する方法があります。

いずれにしろ、既存の防水の仕様、現在の劣化の状況を確認、分析した上で最適な改修の材料、工法を選ぶ必要があります。

6.建具、金物工事

マンションの共用部分の建具の代表は玄関扉です。改修は塗装の塗替えがメインとなりますが、扉に付帯するドアクローザー、蝶番などの部品交換を行うこともあります。また、劣化がひどい場合は玄関扉自体を交換することも考えられます。ほかに、窓のアルミサッシの部品またはサッシ自体を交換することもあります。

共用部分に付帯する金物には住戸名札、階数表示板、集合郵便受け、面格子、金属手すり、物干し金物、消火栓ボックスなどがあります。これらは交換できるものは大規模修繕工事に合わせて交換し、スチール製の面格子や手すりは錆を除去して補修などを行います。

7.設備工事

給水設備、排水設備、電気設備、ガス設備、テレビ共同受信設備、電話やインターネット設備、排気設備、消火や防災設備などの設備の改修工事も必要です。設備によって取り扱い有資格者が必要になる点に注意しましょう。

マンション大規模補修工事では、必要に応じてこれらの工事を実施します。大規模修繕と言葉でひとくくりにされがちですが、工事項目ごとにどのようなことを行うのか、その内容についても知っておきましょう。

参考文献:
岡廣樹ほか『これだけは知っておきたいマンション大規模修繕Q&A』鹿島出版会
マンション大規模修繕研究会『世界で一番やさしいマンション大規模修繕』エクスナレッジ

※掲載内容は2017年2月時点の情報です。

大規模修繕工事をお考えの方はこちらもご覧ください

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