住宅省エネ2023キャンペーンー補助額の手厚い「先進的窓リノベ事業」が高性能な断熱窓への改修を後押しー(住宅あんしんニュースNo.272より)

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住宅省エネ2023キャンペーンー補助額の手厚い「先進的窓リノベ事業」が高性能な断熱窓への改修を後押しー(住宅あんしんニュースNo.272より)

提案にはお得感にリフォーム後の暮らし方のアドバイスを添えて

 住宅省エネキャンペーンの交付申請受付が3月31日にスタートした。キャンペーンの総合サイトでは既に各事業の予算に対する現在の執行状況が公開されている。
 今号では3つの補助事業の中でも高い補助率で注目されている「先進的窓リノベ事業」やその対象工事の実施で期待されるさまざまな効果、さらにはその提案について考える。
(記事の内容は2023年4月17日時点の情報に基づく)

1.交付申請受付がスタート

 国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による「住宅省エネ2023キャンペーン(以下『キャンペーン』)」の交付申請(予約を含む)の受付が3月31日に開始された。さまざまなメディアで取り上げられたこともあって反響は大きいようだ。

2.受付開始と同時に予算の執行状況を公開

 受付開始の同日には「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」それぞれの予算に対する補助金申請額の割合(概算値)もキャンペーンの総合サイトで掲載が始まった。最新の執行状況とその推移を確認することができる。
  交付申請は遅くとも2023年12月31日まで、交付申請の予約は遅くとも同年11月30日までとされているが、各事業で補助金申請額が予算上限(100%)に達し次第、前倒して締め切られる。各事業の専用サイトでは、早めの申請を呼び掛けている。
 なお、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会では住宅事業者を対象に、全国の会場で制度説明会を開催中。既に締め切られた会場もあるが、同協会が運営する専用サイトでは3月30日に先行して開催されたオンライン説明会のアーカイブ動画を配信中だ。(いずれの会場も参加費は無料。事前申込みが必要で、その詳細はこちら。)

3.高い補助率「先進的窓リノベ事業」

 3つの補助事業の中でも注目度が高いのは「先進的窓リノベ事業」だろう。
 先進的窓リノベ事業は、既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)や、2030年度の家庭部門からのCO²排出量約7割削減(2013年度比)への貢献、2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的とした事業だ。
 補助対象となる工事は、ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法、はつり工法)。実施する工事内容に応じて補助率2分の1相当、1戸当たり5万円〜最大200万円までというインパクトのある補助だ。
 中でも、内窓設置は気密性・断熱性、また防音性においても効果が期待できるほか、規約等によって制限を受けることがあるマンションの場合や住まいながら短時間で工事を終えられるといった手軽さも魅力。
 省エネ意識の高まりにキャンペーンも追い風となって、急激な需要増で一部の製品では納期遅延が生じるほどだ。

4.窓リフォームで結露抑止

 内窓設置をはじめとした窓リフォームがもたらす効果の1つに「結露の抑止」がある。
 結露は、室内の湿度が高く、窓や壁の温度が低いと発生しやすくなる。
 結露を放置すれば建物の構造体の腐食等、住宅を傷める原因となる。さらに、カビやダニの発生を招き、それらは喘息やアトピーの原因になる等、健康へも悪影響を及ぼす恐れもある。
 複層ガラスや内窓設置により空気層を作ることで、窓付近の空気を冷えにくくして結露を抑えることができるのだ。
 しかし、窓リフォームを実施するだけで結露をゼロにできるわけではない。 不十分な換気、浴槽のフタや浴室のドア閉め忘れ、洗濯物の室内干しといった日々の暮らしの何気ない習慣が水蒸気の発生源となり、結露の原因となる。
 リフォーム後、気密性が向上したことによって、室内の水蒸気が外に逃げず、窓以外の箇所に結露ができやすくなることもある。壁の中に生じる「内部結露」にも注意が必要だ。
 発注者にとっては、せっかくのリフォームも、思ったような効果が感じられないとして、クレームにもつながりかねない。

5.効果を発揮するためのアドバイス

 サッシメーカーの大手であるYKK AP株式会社では、消費者に向けて結露を抑える暮らし方のポイントを『結露を知って快適健康生活へ 脱・結露のススメ』にわかりやすくまとめて紹介している。
 先進的窓リノベ事業の専用サイトでは、リフォーム等による省エネルギー効果について、消費者への説明に利用できるように、編集可能なデータ「先進的窓リノベ事業 省エネ効果説明用チラシ」を公開している。
 リフォーム業者としては、交付申請期限に間に合わせるために契約を急ぎたいところだろうが強引さは禁物だ。
 こうしたツールも上手に取り入れながら、補助金によるお得感だけではなく、期待できる効果とその効果を最大限に発揮、実感してもらうためについ見落としがちなリフォーム後の住まい方、暮らし方のアドバイスもしっかりと盛り込んで提案することで自社への信頼を勝ち取り、受注につなげたい。

YKK AP株式会社が公開している「脱・結露のススメ」

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