１．保険事故の約95%が雨漏り事故でした！

　今回は、「雨漏り事故の基本」ついて確認しましょう。住宅あんしん保証の新築住宅向け瑕疵保険である『あんしん住宅瑕疵保険』においては、戸建住宅に発生した保険事故の約95％が雨漏り事故でした。また、部位別の雨漏り事故発生割合の内訳をみると、図のように屋根、外壁（開口部）、バルコニーからまんべんなく雨漏りが発生していることがわかります。さらに［表］は、［図］の部位をより細かく分類したもので、圧倒的に「サッシまわり」からの雨漏り事故が多いことがわかります。サッシ、バルコニーは、ほとんどの住宅にありますし、最近のデザイン住宅の屋根には、軒ゼロ形式屋根（軒先やケラバの出が少ないもの）やパラペット付き屋根が多く選択されますので、防水工事において注意が必要になります。
　雨漏り事故を未然に防ぐには、雨水の浸入を防ぐ防水処理と、万一、雨水が浸入しても速やかに外部に排出する仕組みが鍵を握っており、どちらも「完璧はない！」という心構えが大切です。

2．防水工事で注意いただきたい「雨漏り事故の多い部分」

　下の図は、防水工事で注意いただきたい「雨漏り事故の多い部分」（①異なる部材の取合い ②納まりが複雑な取合い ③雨水が滞留しやすい取合い ④雨風に強く晒される取合い等）を集めた防水工事難易度★★★★★の住宅になります。
　ハンドブックでは、これら「雨漏り事故の多い部分」(図中番号の取合い）ごとの事故事例とその対策として、原則として雨漏り事故の防止を目的とした、弊社もしくは各団体が推奨する仕様や納まりを掲載しています。中には、『あんしん住宅瑕疵保険 設計施工基準』 を上回る仕様や納まりも含まれておりますので、“注意が必要な部分における有効な防水措置等”として参考にしてください。
　なお、住宅瑕疵保険に加入するためには、必ず「設計施工基準」を満たす必要があります。新築住宅向け瑕疵保険の「設計施工基準」は、義務化保険の性質上、瑕疵保険法人５社の共通仕様となっており、すべての事業者が大きな負担なく採用できるよう、主に防水工事に関する最低限のルール（仕様・寸法等）が定められています。

3．データダウンロードのご案内～「ハンドブック」と「要点解説」～

　以上、今回の第１回では、「雨漏り事故の基本」についてご案内しました。雨漏り事故を未然に防ぐには、建築工事に関わる全ての方々が意識を持って、雨水の浸入を防止する部分の施工に関する知識・技術を高めるとともに、適切なタイミングで第三者の検査を利用することが非常に有効です。
　是非、ハンドブックの「事故事例」等を知見として、注意が必要な部分や有効な防水措置等を再確認し、防水に関する施工品質の向上に繋げてください。
　次回（第２回）は、「屋根まわりの雨漏り事故の対策を教えて！」をご案内しますので、乞うご期待ください。
　以下のフォームより、貴社の情報をご入力いただき送信していただけましたら、「ハンドブック」と「要点解説」データのダウンロードURLをメールにてお送りします。

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