販売開始から間もなく1年 好評の非住宅木造建築物向けかし保証制度「あんしん建物検査・保証制度」(住宅あんしんニュースNo.266より)

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販売開始から間もなく1年 好評の非住宅木造建築物向けかし保証制度「あんしん建物検査・保証制度」(住宅あんしんニュースNo.266より)

1.日本は「森林国」

 日本は森林が国土の約3分の2を占める世界でも有数の「森林国」と言われ、森林面積の約4割を占めている人工林は本格的な利用期を迎えている。
 この森林資源を適切に管理し、「伐って、使って、植えて、育てる」という循環利用を促進することは林業や木材産業にとって不可欠だ。さらに、森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を貯蔵する。
 建築物等に木材を積極的に活用することは脱炭素社会の実現にも寄与することから、その利用拡大は重要な意味を持つ。

2.建築分野における木材利用の状況

 【図】のとおり、低層住宅の木造率は約8割を超えている。一方、2021年に着工された非住宅・中高層建築物の木造率は未だに低いままだ。非住宅・中高層建築物における木材利用はさらなる需要拡大の余地があるとされている。
 また、2021年6月にはそれまで公共建築物を対象として木材利用の促進を図ってきた「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が改正され、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が成立。この改正により木材利用と促進の対象が公共建築物から建築物一般に拡大された。非住宅木造建築物の分野は市場規模の拡大が期待されている。

[図]新築建築物に占める木造建築物の割合(2021年度着工・床面積)

3.非住宅木造建築物向けかし保証制度

 住宅あんしん保証のグループ会社である一般社団法人住宅あんしん検査(東京都中央区)はこの分野に参入する事業者をサポートするべく昨年11月より全国で非住宅木造建築物向けかし保証制度「あんしん建物検査・保証制度(以下「制度」)」の販売を開始した。
 同法人によれば、制度に加入した事業者には、発注者から保証の提供を求められたことをきっかけに制度の導入を決め、新規受注に結び付けた事例もあるとのこと。販売開始から間もなく1年を迎え、さまざまな問い合わせも寄せられているそうだ。

4.制度の概要

 対象となる建築物は、4層以下(地階を含まない)延べ床面積1,000㎡未満の住宅以外の木造建築物。(5層以上、延べ床面積1,000㎡以上の木造建築物は要相談。)
 保証の対象となる部分は基本構造部分(構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分。一部、免責事由あり)、保証期間は建築物の引渡日より10年間。
 保証限度額は2,000万円~5,000万円までの間で、1,000万円単位で選択できる。また、免責金額も10万円と50万円のプランがあり、いずれかを選択できる。
 制度料は対象とする建築物の延べ床面積に応じる。例えば150㎡未満の小規模建築物で、保証限度額2,000万円、免責50万円プランの場合、165,000円(税込)。
 制度の利用には、まず事業者登録が必要。初年度の登録料は55,000円(税込)で1年更新だ。

5.現場検査は全3回

 この制度はあんしん建物「検査」・保証制度という名のとおり、第三者の建築士による3回の検査(基礎配筋検査、上部躯体検査、防水検査)を実施する。制度に加入するにはすべての検査に合格しなければならない。
 この制度においては予め防水施工部分の検査も標準として組み込まれており、雨水浸入による雨漏り事故の抑制を図るものとなっている。
 同法人がこれまで引き受けた物件で行われた現場検査のうち、基礎配筋検査における主な指摘事項は鉄筋のかぶり厚不足や地中梁主筋の定着長さ不足、上部躯体検査では柱頭柱脚金物取付の不備、防水検査では防水紙の施工不備等が見られ、検査全体では何らかの指摘があった割合が3割を超えるという。
 第三者による検査を複数回取り入れることで、現場の意識向上にも繋がるだろう。

6.不同沈下事故への備えとしても注目

 同法人には、不同沈下事故に関する問い合わせも寄せられている。
  地盤は建物には含まれないが、建物を設計・施工する者には、地盤の状況を適切に調査した上で、調査の結果に応じた基礎設計・施工を行う責任がある。
 この制度でも新築住宅向けかし保険のように、基礎設計のための地盤調査、基礎の設計・基礎の施工に起因する瑕疵により生じた不同沈下事故は補償の対象となるので安心だ。

7.大阪で初開催される展示会に出展

 同法人は11月にインテックス大阪(大阪市)で開催される『[関西]非住宅 木造建築フェア2022』(開催概要はこちら)に出展する。
 この展示会は東京ビッグサイトで定期開催されており、関西では初開催。今年6月東京で初出展した同法人は専用の展示ブースを設け、制度に加入した事業者のインタビュー動画等を交えながら制度をわかりやすく紹介した。大阪でも同様に専用ブースを設け、加入を呼びかける予定だ。


一般社団法人 住宅あんしん検査では、非住宅木造建築物向けかし保証制度「あんしん建物検査・保証制度」の資料請求や見積もりのご相談等を次のフォームより承っております。お気軽にお問い合わせください。

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