目指せ、雨漏り事故ゼロへの道‼ー第4回 バルコニーまわりの雨漏り事故の対策を教えて!ー

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目指せ、雨漏り事故ゼロへの道‼ー第4回 バルコニーまわりの雨漏り事故の対策を教えて!ー

 住宅あんしん保証は、雨水の浸入による被害(以下「雨漏り事故」)を未然に防ぐため、届出・登録事業者の方に向けて雨漏り事故の傾向や雨漏り事故を防止するための情報提供に取り組んでいます。『もっと!あんしん雨漏り対策ハンドブック』(以下「ハンドブック」)の発行・提供およびハンドブックの要点解説として作成した「目指せ、雨漏り事故ゼロへの道‼」(以下「要点解説」)はその取組みの1つになります。
 詳細な事故事例や部位ごとの雨漏り事故対策については、「ハンドブック」および「要点解説」をご覧いただくとして、このコーナーでは、「雨漏り事故の基本」、「対策の概要」および「住宅(新築・既存)に関するお役立ち情報」を継続的にご案内していきます。

「ハンドブック」および「要点解説」

1.サッシ取付けは、より防水性が高い防水工事「先施工」を推奨します!

 今回は、「バルコニーまわりの雨漏り事故の対策」について確認しましょう。
 バルコニーは、下階に居室等が位置するルーフバルコニーのように屋根の一部となる場合もあり、非常に重要な防水部位になります。
 まずは、第1回でご案内した「雨漏り事故発生部位ワースト5」で、2番目に多く雨漏り事故が確認されている「バルコニー防水層立上りとサッシ枠の取合い部」についてです。サッシと防水層はサッシ下枠付近で取り合いますが、降雨時に雨水はサッシ上枠から縦枠を通し下枠に流れ込むので、必然的に外壁にかかる水量が多くなる箇所です。また、バルコニー床面から跳ね返った雨水が下枠に直接作用する場合もあり、サッシ下枠の取合い部の防水が不十分な場合、雨水が浸入するリスクが非常に高くなります。
 この取合い部の納まりは、サッシ取付けに対して防水工事の施工順序が「先施工」となる場合と「後施工」となる場合で異なり、より防水性が高いとされている防水工事の「先施工」を推奨します。[図1]の推奨納まり「先施工」の場合、サッシの内側に防水層が施工されるため、防水性能は高まります。ただし、サッシ枠固定用のねじ等が防水層を貫通することになり、防水上の欠点になりやすいので、ねじ等の頭部分にはシーリング等による防水措置が必要になります。

[図1]防水立上りとサッシ下枠まわりの推奨納まり

 一方、防水工事「後施工」の場合は、防水層立上り端部の処理およびサッシ枠下端の釘打ちフィンの継ぎ目の防水処理を確実に施さないと、防水層の内側に雨水が浸入し、[写真1]の様な雨漏りが発生してしまいます。
 防水層端部の処理は、ガラス繊維シートがプラスチック樹脂からはみ出していると、ガラス繊維の隙間から雨水が浸入してしまうので、 「①プラスチック繊維がガラス繊維シートを覆っているか?②防水層がサッシ下枠のフィンまで届いているか?③シーリングが防水層とサッシ下枠フィンの間に隙間ができないよう、双方をしっかりカバーできているか?」 サッシ下枠は低い位置なので作業しづらいところですが、しっかり確認しながら、丁寧に施工しましょう。

[写真1]サッシ下枠防水取合いからの雨漏り事例

2.手すり壁と外壁の取合い部では、鞍掛けシート等の防水措置を丁寧に!

 次に「手すり壁と外壁の取合い部」も雨漏り事故が多い部位になりますので、確認しておきます。
 [写真2]の雨漏り事例では、バルコニ-手すり壁天端の鞍掛けシートと直行する外壁防水紙との取合いの防水措置において、防水テープによる防水措置が施されていない部分があり、その隙間から雨水が浸入し、下地木材の腐朽および下階の居室等の内装に濡れ損が発生しました。

[写真2]手すり壁と外壁の取合いからの雨漏り事例

 特に手すり壁が外壁に突き当たった部分の鞍掛けシート等の処理が難しく、丁寧な防水措置が必要となります。ハンドブック([図2]の参考例)では、防水性能を高めるために三面交点部分に防水補助部材を利用した納まりを推奨・紹介しています。防水補助部材を利用する納まりも、利用しない納まりも、三面交点部分にできるピンホールの処理と、増し張りした鞍掛けシートと周囲の透湿防水シートの張る順序(上側のシートは外側に重ね、下側のシートは内側に入れ込む)と、それぞれの重ね代を十分に確保するなど基本をしっかり守って施工することが大切です。
 ハンドブックでは、バルコニーに関わる部分(サッシ枠との取合い、手すり壁天端の防水、FRP防水の施工等)の事故事例から、原因と対策、施工の注意点などを紹介しています。

[図2]手すり壁と外壁の取合い部防水の施工手順(参考例)

3.データダウンロードのご案内 ~「ハンドブック」と「要点解説」~

 以上、今回の第4回では、「バルコニーまわりの雨漏り事故の対策」についてご案内しました。雨漏り事故を未然に防ぐには、建築工事に関わる全ての方々が意識を持って、雨水の浸入を防止する部分の施工に関する知識・技術を高めるとともに、適切なタイミングで第三者の検査を利用することが非常に有効です。
 是非、ハンドブックの「事故事例」等を知見として、注意が必要な部分や有効な防水措置等を再確認し、防水に関する施工品質の向上に繋げてください。
 次回(第5回)は、「追加防水検査の検査内容について教えて!」をご案内しますので、乞うご期待ください。
 なお、次のフォームより、貴社の情報をご入力いただき送信していただけましたら、「ハンドブック」と「要点解説」データのダウンロードURLをメールにてお送りします。
(ダウンロードいただけるデータは 過去の連載 と同じです。)

資料ダウンロードフォーム

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